WWDC 2010のSteve Jobs氏のキーノートは全体の3分の2以上が「iPhone 4」の説明に費やされた。
同氏はまず、2007年に初代iPhoneを投入し、08年にiPhone 3GとApp Store、昨年にiPhone 3GSをリリースしてきたiPhoneの歴史を振り返り、その上でiPhone 4は「初代iPhone以来の"大きな飛躍"になる」とした。そして「新デザイン」「Retinaディスプレイ」「A4チップ」「ジャイロスコープ」「カメラ」「iPhone OS 4」「iBooks」「iAd」の8つの切り口からiPhone 4を解説。さらに"one more thing……"としてビデオ通話機能「FaceTime」を発表した。
デザイン刷新といっても、第4世代のiPhoneについては数カ月前から流出画像がネット上で話題になっていたし、iPhone OS 4でマルチタスクが実現されるものの「ようやく……」という声が聞こえてくる。携帯のビデオ通話にしても、日本国内ではすでに実現している。初代iPhone以来の大きな飛躍といわれても、一見、iPhone 4には初代iPhoneのようなフレッシュさやサプライズは見あたらない。
だが実際にiPhone 4に触れてみると、実に新鮮な体験なのだ。初代iPhoneのタッチUIのような分かりやすい飛躍ではないが、一度体験したら後戻りし難くなる感覚は同じだ。この日のJobs氏の言葉から答えをひろい上げれば、おそらくその魅力は「コンプリートソリューション」である。