インテルは8日、定例記者会見IAプレスミーティングを開催した。今回のミーティングでは、米Intel 副社長 兼 PC クライアント事業本部長のムーリー・エデン氏が来日し、同社の次世代プロセッサなどに言及した。
まず最初に壇上に上がったインテルの代表取締役社長 吉田和正氏は、PCやネットブック、組み込み機器そしてスマートフォンやTVなどがひとつのIAプラットフォームにって繋がることで、異なる機器間でも共通の環境を実現する「コンピュート・コンティニュアム」について説明した。このコンセプトは、この後のエデン氏の講演でも度々登場することになる。
さて、エデン氏はまず、一昨年昨年の経済危機に関する話から語り始めた。言うまでも無く昨年は世界的な経済危機に見舞われ、リサーチャーも昨年は世界のPC需要について冷え込むと予想していた。エデン氏はこれに最新のデータや予測を重ね、PCの出荷台数は予測よりもむしろ増加している事実を示した。また、世界全体のGDPは2009年急激に低下したにも関わらず、消費者向けPC市場はこちらも増加していることも示した。ノートブックPCは2008年、2009年とクリスマスに欲しいもののトップに輝き、人々の生活に密着していると述べた。「今はもしPCが壊れたら、次の日には新しいPCを検討するだろう。"PCはパーソナルなものだからだ"」とこの事象について分析した。
次にエデン氏の従来からの専門分野であるノートブックPCに話が移った。まずは現行のCalpellaプラットフォームのキーフィーチャを3つ紹介。「TurboBoost」「Hyper-Threading」「Intel HD Graphics」の3点だが、なかでもTurbo Boostについて重点的に解説した。TurboBoostの技術的な説明はこれまでどおりだが、WindowsのタスクマネージャからCPU使用率のグラフを示し、使用率が100%に近づく部分を「スパイク」と表現し、これがユーザーによるインタラクティブな動作として、この部分でTurboBoostが効き、パフォーマンスと応答性を高めていると説明した。また、GPUがにCPUパッケージに統合されたことで電力と性能を高度に共有していると、サーモグラフィによるデータを示した。
続いて来年登場する予定のプロセッサとして「Sandy Bridge」に言及した。まずSandy Bridgeに関してエデン氏は「本当にすばらしいものになる」「TurboBoost機能はCalpellaのTurbo以上、Super Turboだ」と表現している。まだ詳細な仕様に関しては公開できないとしながらも、エデン氏はSandy Bridgeに関するいくつかの特徴を紹介した。Calpellaで初めて統合されたグラフィック機能はSandy Bridgeで大幅に強化されるほか、新世代のスマートなパフォーマンス、長時間のバッテリー駆動といった点が挙げられている。Sandy Bridgeのパフォーマンスは、講演の最後に現行世代のクアッドコアプロセッサと比較しているが、かなりの差をつけて現行世代CPUを引き離している。エデン氏は「まだチューニングが完了していないなかでもこのパフォーマンスを示している」とSandy Bridgeに対して自信を見せた。一方でグラフィックパフォーマンスの向上に関しては、「カジュアルなゲーマーなら十分なくらい」と表現している。さらに、Sandy Bridgeのダイのトランジスタ数が11億6千万に達することも明らかにしている。