撮像素子は、1/2.3型で有効1,000万画素の裏面照射型CMOSを搭載する。裏面照射とは、センサーの背面から光を入射させることで、表面にある配線の影響を受けず、より効率よく光を感知できるセンサーのこと。この高感度CMOSと画像処理エンジン「DIGIC 4」のノイズ低減処理によって、高感度のノイズは目立たないように抑えられている。
画質の傾向は、細部のシャープネスを強調した、くっきりとした描写だ。遠景の細かい部分の再現には少々もの足りなさも残るが、1/2.3型という小さなセンサーの画質としては比較的良好といえる。
撮影モード:オート(F2.8、1/800秒) / 感度:ISO125(オート) / WB:オート / マイカラー:切 / 焦点距離:5.9mm |
撮影モード:絞り優先AE(F2.0、1/500秒) / 感度:ISO125 / WB:オート / マイカラー:切 / 焦点距離:4.9mm |
撮影モード:絞り優先AE(F2、1/60秒) / 感度:ISO250(オート) / WB:オート / マイカラー:くっきりカラー / 焦点距離:4.9mm |
撮影モード:絞り優先AE(F2、1/125秒) / 感度:ISO400 / WB:太陽光 / マイカラー:ポジフィルムカラー / 焦点距離:4.9mm |
一方レンズは、28~105mm相当の焦点距離を持つ光学3.8倍ズームを採用。焦点距離は最近のコンパクト機として標準的だが、レンズのワイド側の開放値がF2.0と明るいことが本モデルの個性になっている。
撮影モード:絞り優先AE(F5、1/8秒) / 感度:ISO125 / WB:太陽光 / マイカラー:ポジフィルムカラー / 焦点距離:7.6mm |
撮影モード:絞り優先AE(F4、1/30秒) / 感度:ISO200 / WB:太陽光 / マイカラー:ポジフィルムカラー / 焦点距離:9.9mm |
撮影モード:オート(F5、1/80秒) / 感度:ISO160(オート) / WB:オート / マイカラー:切 / 焦点距離:16mm |
撮影モード:絞り優先AE(F3.2、1/125秒) / 感度:ISO125 / WB:太陽光 / マイカラー:あざやかグリーン / 焦点距離:6.6mm |
レンズの開放値は明るければ明るいほど(数値が小さいほど)、薄暗いシーンでの撮影に有利になる。例えば、IXY 10Sのワイド側の開放値F2.8に比べると、IXY30Sのほうが1段分明るいので、同じシーンを同じ感度で撮る場合、1段分速いシャッター速度が使えることになる。あるいは、同じシーンを同じシャッター速度で撮るなら、より低いISO感度を利用できる、といったメリットがある。
撮影モード:絞り優先AE(F8、1/255秒) / 感度:ISO125 / WB:太陽光 / マイカラー:あざやかグリーン / 焦点距離:18.6mm |
撮影モード:オート(F5、1/640秒) / 感度:ISO125(オート) / WB:オート / マイカラー:切 / 焦点距離:14.4mm |
撮影モード:ジオラマ風(F2.8、1/640秒) / 感度:ISO125(オート) / WB:オート / マイカラー:切 / 焦点距離:4.9mm |
撮影モード:絞り優先AE(F5.6、1秒) / 感度:ISO125 / WB:くもり / マイカラー:くっきりカラー / 焦点距離:4.9mm |
ちなみにキヤノンの現行機種では、昨秋発売した「PowerShot S90」が同じくワイド側F2.0の光学3.8倍ズームを搭載している。画質優先なら、やや大きな1/1.7型CCDを備えるPowerShot S90が狙い目だが、操作の手軽さやボディのスタイリングを重視するならIXY 30Sをオススメする。PowerShot S90からRAW記録やマニュアル露出などマニアックな機能を省き、操作性をいっそうシンプルにした上で、高速CMOSの特性を生かして動画や連写機能を充実させたのがIXY 30Sと考えていい。