電源ボタンを押すと、レンズ部がせり出し、約1.5秒で起動する。液晶モニターは16:9のアスペクト比を持つ3型約23万ドットのTFTを採用。IXY 10Sとは違ってタッチパネル式ではないが、操作ボタンの数は非常に少なく、ボディ背面はシンプルにまとまっている。

操作のかなめとなるのは、背面右側にあるコントローラーホイールだ。このホイールはクリック操作と回転操作の両方に対応。例えば露出補正をする際は、ホイールの上側をクリックして露出補正のバーを表示してから、ホイールをクルクルと回転、あるいはホイールの左右をクリックして補正値を動かす。

ホイールの上で露出補正、下で画面表示、左でマクロ、右でストロボモードの切り替えをそれぞれ行う

再生モード時は、ホイールの回転操作で画像送り、上下のクリックで日付別の検索ができる

同様にマクロモードや遠景モード、ストロボモードについても、ホイールのクリックによって素早く設定ができる。撮影モードやISO感度、ホワイトバランス、ドライブモード、セルフタイマー、測光モード、記録画素数などはホイールの中央にあるFUNC.ボタンを押して、画面左に表示されるFUNC.メニューから設定する。さらに、これら以外の詳細機能はメニュー画面からの設定となる。

ISO感度は、オートのほかISO125~3200の間を1段刻みで選択できる

撮影メニューでは、暗部を自動補正する「i-コントラスト」などを設定できる

基本的には、最近の同社製コンパクトデジカメの操作系を踏襲したもので、いったん把握すれば問題なく使いこなせるだろう。ただ少し戸惑ったのは、コントローラーホイールの上下左右に機能の名称やアイコンが印刷されていないこと。ホイールを指で軽く触れると液晶モニター上にバーチャルダイヤルが表示されるとはいえ、迷った時などにすぐに表示されないことがある。デザイン優先でも不親切はこまる。

FUNC.メニューを表示して、撮影モードを選択している状態

撮影モード「魚眼風」では、被写体が丸く歪んで記録される

撮影モードは、22シーンの自動選択が働く「こだわりオート」のほか、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、ポートレート、ハイスピード連写、オートシャッターなど20種類以上に対応。オートシャッターモードでは、笑顔やウインクのタイミングによって自動的にシャッターを切ることができる。また、最近流行りの「ジオラマ風」モードもある。画像の上下にぼかしを加えて、風景をミニチュアのように仕上げる機能だ。

指定した色以外をモノクロ化する「ワンポイントカラー」モード

指定した色を別の色に変換する「スイッチカラー」モード

連写は、フル画素で秒間3.7コマ、250万画素相当で秒間8.4コマというハイスピードを誇る。動画については、最大1280×720ピクセルのHD記録や、秒間240コマのハイスピード撮影に対応。

HD動画では、動画記録中の光学ズームやAF駆動、手ブレ補正に対応する

ハイスピード動画では、映像をスローモーションで再生できる

再生機能としては、カメラの判断によって選ばれた4つの画像を上下左右に表示する「連想再生」や、後処理によって静止画の色やコントラストを調整する「レタッチマイカラー」、日付やカテゴリによる画像検索などを備える。動画の前後をカットする簡易編集も可能だ。…つづきを読む