スタイリッシュでコンパクトなデジカメの定番的存在、キヤノン「IXY」シリーズ。その最新作「IXY 30S」を使ってみた。同シリーズでは初めて、開放値F2.0の明るいズームレンズや、高感度に強い裏面照射型のセンサーを搭載した意欲的なモデルだ。
IXYといえば、凝ったボディデザインが見どころのひとつ。ひと目でIXYだと分かる基本ラインを維持しながら、新作が出るたびに展開される細かい味付けや表情の違いを、いつも楽しませてもらっている。
今回のIXY 30Sでは、その「色」と「手触り」に注目だ。5色のカラーバリエーションのうち、レッド/イエロー/ホワイトの各モデルは、多層コーティングによって滑らかな質感とツヤツヤとした輝きを、ブラックのモデルはマット系のコーティングによって重厚な雰囲気を生んでいる。これらは金属素材でありながら、あまり金属っぽさを感じない独特の表面仕上げだ。いっぽうシルバーのモデルは、ステンレス素材にブラスト処理を施すことで、硬質なメタル感を引き立てている。
ボディのフォルムは、近年の多くのIXYと同じく、「カーバチャーデザイン」と呼ぶ手法を採用。各部材を連続的な面で構成することで、凹凸が少ないフラットボディでありながら、手に吸い付くようにフィットする曲線的な形状となっている。奥行きは23.6mmで、撮影時の重量は約175g。超薄型や超軽量というほどではないが、胸ポケットに入れて気軽に持ち歩けるサイズと重量だ。
製品としての位置づけは、今年2月に発売した「IXY 10S」と並んで、高機能に重点を置いたIXYの上級クラスとなる。センサーの画素数やズームの倍率、液晶モニターのサイズについてはIXY 10Sのほうが上回るが、レンズの開放F値と最短撮影距離、設定できる最高感度、撮影モードの種類、連写スピードに関してはIXY 30Sが勝っている。…つづきを読む