「SSD革命/Speed Advance Ver.1 Hi-Grade」でSSDを安全運用

SSD革命Speed Advanceの設定は「詳細設定」ダイアログから行なう。ただし同ソフトによる高速化実行時は<リミット時の設定>しか行なえないため、一度高速化を停止してから<詳細設定>ボタンをクリックして同ダイアログを呼び出そう。<一時ファイルの設定>タブでは、文字どおりSSD革命Speed Advanceが作成する一時ファイル領域に対する設定を行なう。

「一時ファイルの設定」セクションでは、システムメモリやOS管理外メモリの単独使用、もしくは各自を組み合わせて、一時ファイル領域として使用するメモリ領域の選択が可能だ。OS管理外メモリを制御できない環境では選択肢がないため、環境に合わせて設定して欲しい。同時にどのセクタが使用されたかを記録するインデックス情報は「インデックスの設定」セクションで管理。同じくメインメモリやOS管理外メモリ、もしくは両者を選択できるため、必要に応じて設定するといいだろう(図04)。

図04 「詳細設定」ダイアログの<一時ファイルの設定>タブでは、主に一時ファイルやインデックスを格納するためのメモリ領域設定を行なう

<リミット時の設定>タブでは、一時ファイル領域の限界使用量や、設定値を超えたときに行なうアクション設定が可能だ。「アラームの設定」セクションで、残り容量と警告を発するアラームの動作を選択し、「動作の設定」セクションで、設定を超えたときのアクションを設定する。特に「残容量が設定値に達したときの動作選択」セクションでは、<再起動><シャットダウン><現在の状態をシステムに適用後、高速化・保護を継続する>の3種類が選択可能だが、SSD環境の場合は書き込み回数を制限するのが主目的となるため、<現在の状態をシステムに適用後~>を選択した方が、コンピュータの再起動も必要としないため使いやすい(図05)。

図05 <リミット時の設定>タブでは、一時ファイル用領域の残り容量やアクションを設定する

<ウィンドウの設定>タブでは、デスクトップに現われるモニターウィンドウに関する設定を行なうが、多くの場合は初期状態で問題ない。SSD革命Speed Advanceを導入し、動作に問題がないことを確認できたら、「モニターウィンドウの表示設定」セクションにある<アプリケーション起動時に表示する>のチェックを外し、同ソフトの存在を意識せずに使えるようにしよう。

最後の<その他の設定>タブでは、ほかのタブに含まれない項目が集められているが、注目は「その他の保護設定」セクションにある<ページファイルを保護する>。Windows 7が使用しているページファイルを保護対象に含める項目で、ホストドライブに対する書き込みを軽減するというメリットがあるため、搭載した物理メモリに余裕があればチェックを入れたい。そうでない場合は同項目を有効にせず、HDD上のドライブにページファイルを作成した方がよいだろう。

また、「OSの起動時/終了時の設定」セクションでは、<OS起動時に高速化・保護を開始する>にチェックを入れることで、Windows 7起動時から高速化が可能になる。何らかの理由で正しく動作しない場合は、Windows 7起動時に高速化・保護を解除できる「解除セレクター」で同機能を無効にしてから再設定を行なおう(図06~07)。

図06 <ウィンドウの設定>タブでは、モニターウィンドウに対する設定を行なう

図07 <その他の設定>タブには、ほかのタブに含まれない設定項目が集められている

Speed Complete BOXの同こん製品であるMemory革命RAM Driveに注目してみよう。同ソフトはその名のとおりRAMディスクを作成するソフトウェアだが、SSD革命Speed Advanceと同じくメモリ領域を使用するため、同時使用するには各ソフトで使用するメモリ容量を調整しなければならない。

そもそもSSD環境ではRAMディスクによる高速化メリットは皆無である。本来RAMディスクとは、I/Oスピードが遅いデバイスに向けられた書き込み操作をRAMディスク上に変更することで、パフォーマンスを向上させるために導入するものだが、SSD革命/Speed AdvanceによるEWF効果を踏まえると、必要性を見いだすのが難しいだろう。

もっともHDD環境であればRAMディスクを導入するメリットは非常に大きく、筆者が以前寄稿した記事をご覧になれば、その有用性を理解できるはずだ。ノートPCとデスクトップPCを併用しているのであれば、SSDを導入したノートPCにSSD革命Speed Advanceを導入し、デスクトップPCにmemory革命RAM Driveを導入することで、複数のコンピュータをパワーアップできるため、Speed Complete BOXを選択するメリットは大きいだろう(図08)。

図08 Memory革命RAM Driveのメイン画面。<マウント>ボタンをクリックすれば空きメモリを利用して、RAMディスクの作成が行なわれる。また、Internet ExplorerやMozilla Firefox、Google Chromeの一時ファイル作成先をRAMディスク上に変更する設定項目も用意されている

なお、これら製品をリリースしているアーク情報システムでは、2製品購入時に1製品分の価格を半額にするキャンペーンを実施中。同社のオンラインショップでパッケージ版2製品を選び、そのうち価格が安い製品が半額対象となる。今回のようにHDDからSSDに換装し、SSD環境を強化させるようなシチュエーションにうってつけだ。SSDの導入を予定している方は是非このタイミングを活かして、導入・運用環境を整えて欲しい。