バーゼルからロンシャンへ向かうには、まずリュール(Lure)へ行き、タクシーに乗り換える。ベルフォール(Belfort)からタクシーという手もあるが、少し距離が遠くなるため今回はリュールから向かうことに。もちろん、ロンシャンへ直接電車で行くことも可能だが、電車の本数がかなり少ないことと、無人駅であることから融通が利かない場合もあるだろう。
リュール駅から、ノートル・ダム・デュ・オー礼拝堂までは10kmほど。ちなみに、ロンシャン駅から礼拝堂までは2kmほどだが、礼拝堂の建つ丘の上までは山道になっているのでスニーカーで挑むのが望ましい。
電車の乗り継ぎは、フランス国鉄サイトやドイツ国鉄サイトで調べられるほか、駅の窓口で行き先と出発時間などを伝えると乗り継ぎの時間をプリントアウトしてくれるので上手に活用したいところ。今回は、1時間の電車遅延により、調べていた電車の時刻は役に立たなくなったが、駅の窓口で新たに乗り継ぎ時間を出してもらった。
乗り換え地点のミュルーズ(Mulhouse Ville)。染織美術館、自動車博物館などがあるが、今回は先を急ぐため、とりあえず駅外観を撮影。広角24mmのEX-H15はこういった大きな建物を撮影するときにも活躍してくれる |
フランスでは国鉄公式時計もイエローとブラックでビビッド。お国柄を感じさせてくれる |
バーゼルから1時間半ほど。
たどり着いたリュールの駅は観光客とは無縁の佇まい。
降りる人もまばらだった。
フランスの風を感じながらホームで休憩していると、遠くで煙がもくもくと上がっているのを発見(写真右端) |
すかさずカメラを向けて10倍ズームで寄ってみる。「事件!?」と緊張するも、町はいたって平穏なムード |
タクシーを呼ぼうとしたものの、結局、ロンシャンまではカフェで声をかけた地元の方が車で送ってくれた。電話帳でタクシーの電話番号を調べてくれたり、みなさんとても優しい。5人ほどに話しかけたのだが、英語はほぼ通じなかった(フランス語の辞書は持っていくべき)。タクシーのモノマネ+「Ronchamp! Le Corbusier!」と連呼することでなんとか目的地に到着……。
車で山道をのぼり、丘の上にある入場券売り場へ。小道を進むと、「祈り、平和、心からの喜びのための静寂な場所を創りたかった」とコルビュジエが語る、真っ白な壁が特徴的な礼拝堂に出合える。入場券売り場の隣には、お土産コーナーと小さな展示室もある。
残念ながら不揃いの窓から差し込む光が印象的な礼拝堂の内部空間は撮影禁止。ここはしっかり目に焼き付けておくとして、外観だけでもカメラに収める。
実はEX-H15には、シャッターを押すだけで、撮影環境を解析して夜景や逆光、風景、夕景、マクロ撮影などをよりキレイに撮れる「プレミアムオート」という機能も搭載されている。それに、霞がかったようなシーンでも風景を鮮やかに撮れる「風景メイクアップ」機能も備えている。
ただ、通常のオート機能よりも消費電力が多いため、撮影枚数を優先するためにも、今回はそれらの機能をほぼ封印してオートで撮影。それでも天候に恵まれたせいもあって、素人が撮ったにしてはキレイな仕上がりに。
建物の周囲をひとまわりしながら、1,000枚という電池寿命に安心してパシャパシャ写真を撮っていたが、オフシーズンということもあってか、1時間以上滞在しても7人ほどの観光客にしか出会わず、ゆっくりと礼拝堂の雰囲気を満喫することができた。
寄り道も旅の醍醐味!
帰りのタクシーを入り口のおばさまに呼んでいただき、「次の電車の時間にも間に合うわよ」と笑顔で送り出していただいたものの、駅に到着すると次のバーゼル方面行きは3時間後。リュールでじっとしているのももったいないので、逆方向に進む電車に乗車。リュールからひとつ先にあるヴズール(Vesoul)に向かうことに。
大きな街ではないが、後々調べたところ画家、ジャン・レオン・ジェロームの生まれ故郷でもあるとか。さすが芸術の国・フランス。どこを歩いてもアートにぶつかる。
さてさて、ヴズールからふたたびバーゼルへ。
思わぬ寄り道で写真もいっぱい撮ってしまったが、900枚近く撮っているにも関わらず、まだまだ電池残量は「フル」表示のままだった。…つづきを読む