――稲垣さんは「NSC女性タレントコース」1期生ですが、はじめはタレント志望だった?

稲垣 : 「演技をするのがすごく好きで、女優さんになりたかったんです。"ロンバケ"世代なので山口智子さんに憧れてました(笑)。高校生の頃から、女優さんになるためにこの業界に入るって決めてたんで就職活動もしなかった。そんなときに、NSCが女性タレントコースを作るっていうのをたまたま知って、吉本は大阪ではすごいおっきい存在なので、自然な流れで入りました」

――今でも女優になりたい?

稲垣 : 「今でも演技はすごく好きなんですが、女優さん一本っていうのは全然考えてないです。芸人になったきっかけは、ある日突然、(吉本の)事務所スタッフから、お笑いをすることを勧められて、お笑いの世界に足を踏み込みました。最初は不安でしたが、とりあえずやってみようと。やっていくうちに、厳しさと同時に舞台でお客さんが笑ってくれたときの快感を知れて、わたしは人を笑かしたことのない人生だったのですごい衝撃的で、芸人としてやっていけると思いました」

――挑戦したことで可能性が広がりましたね。

稲垣 : 「運が良かったんだと思います。お笑いを楽しいと思えたから」

――エヴァ芸人としてブレイクした稲垣さんがですが、もともとアニメが好き?

稲垣 : 「はい。人生をアニメに左右されて生きてるところがあって、中学校の部活動で剣道を始めたのも『るろうに剣心』っていうアニメの影響です(笑)」

――アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を漫才に取り入れたきっかけは?

稲垣 : 「『エヴァ』はすごい偶然。当時、お世話になってたラジオのプロデューサーさんのアドバイスで、ラジオ番組の前説で萌え的な漫才をすることになったんです。萌え的な漫才って作ったことなかったんですが、オタクといったらアニメなので、エヴァならできるかなって。思い切ってコスプレしてみたら、今までで一番ウケたので、調子に乗ってその年の『M-1』でもやったら、3回戦までいけました(笑)」

――様々なキャラクターがいる中で、なぜアスカを選んだのですか?

稲垣 : 「モノマネを始めた中学生の頃は目立たない子だったので、強いアスカに憧れて『あんたバカァ』って言ってみたいっていうところから始めたんですけど、アスカも後半につれて精神が病んでいくところがあるので、あんな強い子でもそういう面があるんやって共感して余計好きになりました(笑)」

――稲垣さんは、アスカの格好になるとイキイキしているように感じます。

稲垣 : 「多分、めちゃくちゃスイッチが入るんです(笑)。ブログ旅で大分マシになったんですけど、わたしはNSC(吉本)に入ってから半年ぐらい誰とも口きけなかったほど、すごい人見知りが激しいんです。でも、アスカの格好をしたらそれに合わせた性格になれる。だから、ブログ旅を見たファンの人から、素のわたしを見て『あれ?』って言われることも(笑)。わたしはそんなに意識してないんですけど、テレビに映ってる自分を見たら、『あ、なんかめっちゃ明るい』って思いますね(笑)」」……続きを読む。