なんと"リアルコアラ課長"が登場したのである。
しかしちょうどこのとき映画が一番の山場を迎えていたため、観客は全員スクリーンに夢中になっており、せっかくリアルコアラ課長がサプライズ登場したにも関わらずあまり盛り上がることはなく、さらに着ぐるみの仕様で視界が致命的に狭いせいか、何度も段差につまずきながら、わずか1分ほどでの退場となってしまった。
そんなリアルコアラ課長がリベンジすべく再登場したのは、作品の上映が終盤に近づいたときのことだった。
今度こそ観客の目がリアルコアラ課長に向いた――と思った次の瞬間、やはり視界が圧倒的に狭かったせいか、よろめいた拍子にお客さんのグラスを割ってしまったリアルコアラ課長。
これにツイッターのタイムラインには「リアルコアラやらかした!」、「コアラ課長、粗相です!」、「みんな責めないで!」といったつぶやきが一気に流れ、ちょうど目の前でグラスが割れるところとツイッターのスクリーンを同時に見ていた筆者は、改めて会場とツイッターとがつながっているという事実を実感したのだった。
一部ハプニングもありながら無事「コアラ課長」上映会は終了し、その後はオマケとして河崎監督の若かりし日の作品である「電エース」が上映された。
「電エース」は、89年にバンダイから発売されたビデオマガジン『電影帝国』内の1コーナーとしてスタートした特撮作品で、こちらも「コアラ課長」に負けず劣らず奇抜な設定が特徴だ。
これにも会場からはツイッターを通して多数のつぶやきが寄せられ、大盛り上がりのうちにイベントは終了した。
河崎監督は今回のイベントについて、「映画は演劇と違ってリアルタイムにはこないけれど、(今回の)会場にいるとそれがわかって気持ちよかった。昭和時代には弁士がいたけど、今は映画監督が隣にいてぶつぶつ言ってるのを想定して作るのが面白いんじゃないか」とコメントしており、今後ツイッターと映画とのさらなる連動企画に期待したいところだ。