「Fix it Centerクライアント」ベータ版を試す
前述した「Microsoft Fix it ソリューションセンター」と連動して動作するのが、「Microsoft Fix it Center」と「同Online」。前述した解決ソリューションの実行環境だけでなく、複数のコンピュータに含まれるデバイスの管理を可能にしています。執筆時点では、まだベータ版ですので、正式運用後は動作内容も異なると思いますが、まずは同機能を確認してみましょう。
Microsoft Fix it Centerは、ローカルディスクに導入して実行する単独のツールですが、その内容は各解決ソリューションを起動するための存在となります。各ツールは下記のようにWindows 7のトラブルシューティングツールに大きく類似。いや、Windows 7の同機能をWeb展開できるようにしたと述べた方が正しいかも知れません。そのような意味ではWindows 7に導入するメリットはさほど大きくありませんが、後述する複数のコンピュータ管理が可能になる面では有益と言える部分もあります。
「Microsoft Fix it Center」で実行できる解決ソリューション
Aero
CD、DVD、およびブルーレイディスクの再生と書き込み
DirectAccessを使用した職場への接続
Internet Explorerがフリーズまたはクラッシュする
Internet Explorerのパフォーマンス
Internet Explorerの安全性
Internet ExplorerまたはWindowsプログラムでビデオがフリーズまたはクラッシュする
Windows Media Player DVD
Windows Media Playerの設定
Windows Media Playerライブラリ
Windows Update
インターネット接続
オーディオの再生
オーディオの録音
システムメンテナンス
テレビ チューナーのセットアップ
ネットワークアダプター
ハードウェアとデバイス
パフォーマンス
プリンター
プログラムの互換性
ホームグループ
共有フォルダー
検索とインデックス作成
着信接続
電源
表示品質
Microsoft Fix it Centerを導入する手順は、特に難しくありませんが、同ツールを使用するにはWindows Live IDが必要となります。セットアップの途中でサインアップすることもできますが、使い慣れたWindows Live IDをお持ちの場合は、あらかじめIDとパスワードを確認しておきましょう。また、コンピュータ情報の送信に関しては、ハードウェアおよびソフトウェアの情報が含まれます。これらはWeb上でチェック可能になりますので、管理情報を充実させるためにも有効にしておくといいでしょう(図09~19)。
図11 必要なファイルのダウンロードおよびインストールを終えますと、カスタマイズの実行をうながされます。<今すぐ>にチェックが入った状態で、そのまま<次へ>ボタンをクリックします |
図12 Microsoft Fix it Centerが起動しますと、最初にトラブルシューティングツールが起動します。このままでも実行できますが、<表示>ボタンをクリックしてみましょう |
図13 これで実行予定のトラブルシューティングツールが列挙されます。<次へ>ボタンをクリックしてください |
図14 Microsoft Fix it Centerで使用するアカウントの取得をうながされます。Windows Live IDをお持ちの場合は<はい>を選択した状態で<次へ>ボタンをクリックしましょう |
図15 これでMicrosoft Fix it Center Onlineのサインアップページが表示されます。Windows 7にWindows Live IDが登録されている場合、右側にアイコンが表示されますので、それをクリックします |
図16 Windows Live IDのパスワード入力をうながされますので、パスワードを入力して<サインイン>ボタンをクリックします |
図17 これでWindows Live IDがMicrosoft Fix it Center Onlineに登録されました。このまま<次へ>ボタンをクリックしてください |
図18 次にハードウェア情報の送信して良いか、確認をうながされます。同サービスではハードウェア管理機能も備えてますので、<はい>を選択した状態で<次へ>ボタンをクリックしてください |
解決ソリューションの実行方法は、トラブルシューティングツールと同じくクリックすると起動するウィザードの指示に従って進めるだけ。実行結果は黄・緑・赤の三色をあしらったアイコンで示され、それぞれ未実行・問題なし・問題ありを意味します。Windows 7のトラブルシューティングと比べますと、アイコンや実行日時が一覧表示されるのはわかりやすく、有益な部分と言っても良いでしょう(図20~24)。
図20 初回起動時は簡単な説明が書かれたダイアログが起動します。煩雑な場合は<このメッセージを今後表示しない>をクリックしてチェックを入れてから<OK>ボタンをクリックしましょう |
図21 これでMicrosoft Fix it Centerが使用可能になります。実行する解決ソリューションの<実行>ボタンをクリックしましょう |
図22 トラブルシューティングツールに似たウィザードが起動します。画面の指示に従って進めましょう。自動的に問題が修正されます |
図23 Microsoft Fix it Centerには実行結果が3種類のアイコンで示され、前回の実行日時と共に表示されます |
Microsoft Fix it Centerの下部にあるリンクをクリックしますと、Microsoft Fix it Center OnlineのWebページが開き、Windows Live IDで関連付けられているコンピュータの一覧が表示されます。ここでは各解決ソリューションの実行結果をコンピュータごとに確認でき、複数のコンピュータを同時に活用している方には便利な機能となるでしょう。
前述のようにMicrosoft Fix it Centerおよび同Onlineは執筆時点でベータ版です。そのためなのか確認できませんが、各コンピュータのハードウェアおよびソフトウェアの情報を同Online上で表示させることはできませんでした。異なるコンピュータの状態や構成を一括管理することで、管理・操作コストも軽減されるため、正式版に期待したい機能の一つです。正式版が登場し、機能面の拡充が施されましたら、再び本稿で紹介致しますので、是非ご覧ください(図25~27)。
図25 Microsoft Fix it Center Onlineでは、Windows Live IDに関連付けられたコンピュータの管理が可能です |
図26 「前回の実行結果を表示」をクリックしますと、Microsoft Fix it Centerと同じ実行結果を確認できます |
図27 コンピュータをクリックしてからページ左側にある<デバイス情報>タブをクリックしますと、コンピュータのハードウェアおよびソフトウェア情報を確認できます。現時点ではベータ版だからなのか表示されませんでした |
阿久津良和(Cactus)