それでは、英語が話せるようになるための一番効果的な学習法はあるのだろうか。英語が話せるようになりたい一。心でいろいろとチャレンジしてはみるものの成果上がらず……と嘆いている者にとってはこれも是非聞いてみたいところ。いったい英語はどうすれば身に付くのか?どうすれば話せるようになるのか?
英語が上手くなりたいなら「英語圏へ行くことがベスト」だと前置きした上で氏が助言してくれたのが以下の3つ。
・「聞く」「話す」を同時に行うこと
・語学学習の極意は短期集中でその言語のみの環境に浸る
・まず話してみる。はずかしがらずに話すことが第一歩。(Try to Speak. Trying is the first step.)
つまり、英語を覚えたいなら誤った方法で長い間学習していても駄目。短い期間でもその言語のみの環境に身を置いて集中するかたちで覚えるべき。そして上述にもあるように、目、耳、口などの感覚すべてをフルに使い、英語は日本語に置き換えることなく最初から英語として学ぶようにすることが大事だとのこと。そしてそれには『ロゼッタストーン』を……。さすがCEO。ここぞと言うときの宣伝はさすがである。しかし、マイコミジャーナルでは「英語が苦手なワタシが『ロゼッタストーン』を薦めるワケ」を連載しているのだが、それを読む限り「聞く」「話す」を同時に行うことができ、自宅での学習もたやすいので短期集中にも最適な『ロゼッタストーン』であれば、効果的な英語学習が望めるだろう。
次世代の『ロゼッタストーン』って?
こうなると話の流れは自然に次世代の『ロゼッタストーン』へ。この秋、アメリカで「RosettaStone Version 4 TOTALe」と呼ばれる最新バージョン製品が発売されるとのこと(日本では未定)。タイトルの後部のTOTALeは「トォゥタリー」と「リー」の部分をやや強めに発音し、末の「e」は「online enable」の二つの単語の各末と頭の「e」を表したものだとか。そして「TOTALe」全体が持つ意味は「total solution」。直訳するなら「完璧な解決法」とでもなるのだろうが、これからしてもこの新バージョンに対する意気込みと期待の大きさが見て取れる。
そしてこの新パージョンの最大の売りは「online socialization」。これはオンラインレッスンのようなもので、各自基礎となるコースレッスンを自主学習したのち、生の先生(全てネイティブ)とオンラインで復習を兼ねたグループレッスンができるというもの。その他、ユーザー同士のコミュニケーションツールもある。
セッションは約1時間、同時参加は最大で4人までだが、平均で3人程度になる見込みで、参加者は当然ながら該当言語以外の言語は禁止。一言でも使うと即退席させられるのだそうだ。そしてこのグループレッスンのもう一つの特徴は生徒がインターナショナルなこと。もし日本からの利用が可能となれば、日本人だけではなく英語を学ぶ世界中の人がこのレッスンに参加することになる。これはあたかもインターナショナルスクールで学ぶような感覚になれるので大変興味深い。
さらに米国では今年の後半に、iPhone向けのアプリケーションも提供する予定になっているとか。(日本では未定)そうすれば今後は自宅でも移動中でもより手軽にロゼッタストーンでの学習が可能。正にアダム氏が掲げる短期集中型の語学学習が実現することになる。
『ロゼッタストーン』の今後の展開も目が離せなくなりそうだ。
最後に
先ずはアダムス氏には貴重な時間をいただいたこと、そしてその時間が本当に楽しいものであったことを心から感謝したい。
アダムス氏の第一印象を一言で言うとすると「Spring Fairy」。雨と寒さでどことなく沈みがちな我々を、さわやかな笑顔とフレンドリーさで迎えてくれた様は正に「春の妖精」のごとし。おかげで今回のインタビューは長年の友と楽しく語り合うといった感じで進めることができた。
そして『ロゼッタストーン』だが、英語を学ぶ上で「現地に身を置く」こととは比較できないものの、確信して言えることは、現存するメソッドの中では確かに"one of the best"、そして現地学習に準ずるものとして"the next best thing"と言ってもいいのではないだろうか。