よりコンシューマを意識したデジタルペン
アノト・マクセルと大日本印刷(DNP)の合同ブースでは、アノト・マクセルが提供するデジタルペンを活用したソリューション「OpenSTAGE」の紹介が行われている。
同ソリューションの肝はアノト方式と呼ばれる書き込み方式を採用したデジタルペン。これは、OpenSTAGEソフトウェアを活用することで、モニタやプロジェクタ、印刷された紙などに特殊配列のドット(アノトパターン)を配置。それをペンのカメラで認識し座標を確認、BluetoothでPCにその書き込みデータを送ることで、モニタ上に書き込みを行うというもの。
今回出展されていたデジタルペンは、従来のものと違って専用バッテリではなく単4電池1個で駆動。最大4本まで同時に書き込みが可能だ。また、メモリ機能やUSBインタフェースも省いており、連続筆記で5時間の駆動が可能となっており、よりコンシューマユースを意識したモデルとなっているとのこと。
ソリューションとしてはソフトのほか、デジタルペンが1本、丸めることも可能な56型の専用スクリーン、Bluetoothアダプタなどが付いて19万9,500円としており、追加のデジタルペンは1本あたり2万2,000円(税別)としている。
赤外線を活用したタッチパネル
タッチパネル研究所のブースでは、通常のタッチパネルのほか、エルステッドインターナショナルが開発した赤外線を活用したバーチャル電子黒板「U-Pointer」の展示を行っている。
U-Pointerは2010年3月25日より発売が開始された製品で、赤外線カメラと、赤外線を放出するペンを組み合わせたソリューション。プロジェクタに投影された画像上で電子ペンを動かすと、それをカメラが感知するという仕組みとなっている。
価格はオープンながら、実売としては19万8,000円程度としている。発売から1カ月も経っていないにも関わらず、すでに複数社からの受注があり、導入も進んでいるという。
電子ペーパーの階調表現向上を計画
ブリヂストンのブースでは、独自開発の白と黒の粒子「電子粉流体」を用いた電子ペーパー「QR-LPD(Quick Response - Liquid Powder Display)」の展示を行っている。
展示内容としては2009年10月に開催されたFPD International 2009の時とほぼ同様と言って良いものとなっており、パネル展示されていた同社のロードマップも2010年に256階調、1,670万色表示などとしていたことには変わりはないが、2010年もすでに4カ月が経過していることから、具体的な進捗状況を説明員の聞いてみた。
その答えとしては、どの程度の階調かは秘密だが、256階調、1,670万色表示の実現に向けた評価は進められており、なんとか2010年中にはロードマップに提示されたスペックを実現したいとしていた。また、それ以上に強調していたのはカラー電子ペーパーでの白の色合いをより高めることだそうだ。これは、よりカラーを見やすいものにするための工夫だそうで、実際にモノクロのものも出始めの頃に比べて、よりコントラストを高めてもらいたいという市場からの要求があり、そうした改善を進めてきた経緯もあるという。こちらはバーコードリーダーの認識率が落ちるからとのことであったが、カラー版の場合は純粋により見やすいものへの進化といった具合とのことである。