現在公開中の映画『海の金魚』は、鹿児島県の桜島を舞台に、ヨットレースに参加する男女5人の高校生たちが繰り広げる青春ムービー。本作でフレッシュな魅力を存分に見せてくれている主演の入来茉里、田中あさみの2人に話を聞いた。

映画『海の金魚』で主演した入来茉里(右)と田中あさみ

――今回の作品で二人はヨットに乗りますが、ヨットの経験は?

入来茉里(以下、入来) : 「もちろん初めてです。私が演じたミオはヨットで生活しているという設定なんですが、私自身は酔いやすくてうまく演じられるか心配したんですけど、ヨットに乗るシーンは酔い止めを飲みながらなんとか乗り切りました」

田中あさみ(以下、田中) : 「私も初めてですが、私が演じたキヨミはさらに天才ヨットレーサーという設定なので(笑)、天才っぽく見せるのに苦労しましたね。思った以上に肉体労働でした」

入来 : 「ミオがヨットの先端に立って"ひとりタイタニック"をするシーンがあるんですけど、台本では普通に立つとしか書いてなかったのですが、『タイタニック』が好きなのでアドリブで、つい(笑)。船の先端に立つと、もう風の音しか聞こえないんですよ。普段そんなところに立つことはほとんどないので、とても新鮮でした」

田中 : 「撮影に入る前にある程度練習させてもらったおかげで、レースシーンでは舵の操作もどうにかうまく出来ました。なかなかヨットに触れることのない若い人でも楽しめるスポーツだなって思いましたね。この映画をきっかけに多くの人がヨットの世界に触れてもらえたらいいなって思います」

『海の金魚』STORY
鹿児島の高校に通う長田ミオ(入来)は、父が海で行方不明になって以来、不登校を続け、父のヨット・ゴールドフィッシュ号で暮らしていた。心を閉ざすミオだったが、ヨット留学で挫折して帰国したキヨミ(田中)と出会い、親友となった。やがて2人は、ゴールドフィッシュ号に乗って、ミオの父が遺した"宝の地図"を頼りに宝探しに出かける。これをきっかけに希望を取り戻したミオは、ヨットレースに参加しようキヨミを誘う

――今回、二人が演じたミオとキヨミという役について感じたことを聞かせて下さい。

田中 : 「私自身、過去の出来事を引きずるという経験があまりないので、なかなかキヨミの気持ちを理解してあげることは難しかったですが、好きなことにアツくなると周りが見えなくなるところとかは自分と似ていますね」

入来 : 「私も喜怒哀楽がはっきりしているところはミオと似ているかも。ただ、私はなんでもさらけ出してしまうので、本当の感情を隠すことのできるミオの強さには同じ女性として惹かれるものを感じました」

――共演した感想は?

入来 : 「私の方が4歳上ですけど、もう全然オトナで、演技のこともプライベートのこともいっぱい相談に乗ってもらいました(笑)。すごくしっかりしているので助かりましたね」

田中 : 「そんなことないですよ~(笑)。いざという時はすごく頼りになるし、周りへの気くばりが本当に上手で、やっぱりお姉さんだなって思いました」

――二人が好きなシーンは?

入来 : 「レースの前日、赤い灯台の前でミオとキヨミが二人で話すシーンが好きです。その時は役としてだけでなく、自分の本心から『頑張ろうね』って言っているような感覚でした」

田中 : 「私もキヨミと自分が重なって、もらい泣きしそうになったことが何度もありましたね」

入来 : 「旅立ちのシーンは、台本では明るく別れるよう書いてあったんですが、それまでのいろいろな思い出が込み上げてきて、カメラテストの時に二人とも感極まって泣いてしまったんですよ(笑)。でも、本番ではお互い涙をこらえて撮影しました」……続きを読む。