8日(米国時間)より開発者向けに配布が開始されたiPhone OS 4 SDK(ベータ)だが、その利用規約内容が前バージョンから変更され波紋を呼んでいる。「Adobe Flash Professional CS5」(以下、Flash CS5)に搭載される「Packager for iPhone」や、MonoTouchなどのサードパーティ製開発ツール潰しが目的ではないかとの観測が出ているからだ。
同件については、Wall Street JournalやNew York Timesなどが報じている。最初にこの話題に触れたのはJohn Gruber氏のBlog「Daring Fireball」で、SDKの利用規約でAPIコールについて記した「3.3.1」のセクションの内容が、iPhone OS 4 SDKベータでは大きく変更されているという。
もともと3.3.1ではサードパーティ製アプリでのプライベートAPIコールを禁止し、ドキュメントに記された指定APIを利用するよう規定されていたが、これがiPhone OS 4 SDKベータではさらに開発言語までもが指定されるようになっている。新規約によれば、iPhoneアプリはiPhone OSやWebKitで実行可能なObjective-C/C/C++あるいはJavaScriptで必ず記述されなければならないという。また、これら言語で記述されたコードのみがコンパイルによって規定のAPI群へのアクセスを許可されるという。中間言語の使用や中間レイヤーを用いるツールの利用も禁止されるということだ。
もうおわかりだと思うが、新規約によりApple純正ツール以外でのiPhoneアプリ開発はほぼ不可能になる。Apple純正ツール以外のiPhoneアプリ開発環境の著名なものとして、これまでにFlash CS5のPackager for iPhoneとMonoTouchなどを紹介してきたが、これらもすべて利用不可能になる可能性が高い(「Titanium」や「PhoneGap」は不透明とされている)。