そもそも、辞書がカラー化する必然性はあるのか、という意見もあるだろう。が、私は声を大にして答えたい。「ある!」と。色が増えてキレイなのはもちろんだが、"背景がより白くできる"のが何より大きい。特にXD-A8500が採用している「Blanview(ブランビュー)液晶」は光の透過率が高くて明るく、発色のコントラストが高い。このため、バックライトのないモノクロ液晶(グレー背景)に比べて黒文字が格段に見やすく、通常使用でも圧倒的に目が疲れないのだ。
辞典・資料の収録数は圧倒的で、国語系は広辞苑をはじめ9種類、英語系5種類、英会話・トラベルを含めた外国語系は42種類のほか、経済、株式、金融、不動産、広告、会計、流通用語事典など実務・情報系も24種類、これに生活・趣味・実用系が加わり、計130コンテンツが収録されている。普段のビジネスシーンにおける調べものはもちろん、海外出張の際にもこれ一台あれば安心だ。
コンテンツが豊富なので、目的のコンテンツを探すのが面倒な人は、あらかじめ「お気に入り登録」をしておけば、すぐにアクセスできる |
複数辞書検索を使えば、ひとつのことがらを複数の辞書でまとめて調べることができる。紙の辞書では逆立ちしても不可能 |
XD-A8500は電子辞書でありながら、読み物としても使える。というのも、前述の130のコンテンツのほか、芥川龍之介、有島武郎、石川啄木をはじめとする日本文学300タイトルと、シェークスピアやコナン・ドイル、イソップ童話などの世界文学100タイトル(英文)を収録しているのだ。また、青空文庫にも対応しており、USBケーブルを介して読み込むことで、さらに作品を追加できる。とはいえ、内蔵の日本文学300タイトルでも、すでに全集を何冊も持ち歩いているようなものだが。
作品を読むときは、縦持ちがオススメ。文字サイズ大なら、読みやすさも十分。XD-A8500には加速度センサーが内蔵されており、縦に持てば縦書きになり、本体を振る(ゆっくりと傾けて戻す)ことでページ繰りが可能だ。左に傾けて戻すとページが送られ、右に傾ければページが戻る。スタイラスペンでもページ繰りがおこなえる。
電子辞書ゆえの検索のしやすさに加えて、収録タイトルの豊富さは資料作りにも強い味方となるエクスワード・XD-A8500。ネットに溢れる不正確な情報ではなく、信頼できる情報をもとに確度の高いビジネス文書を作成するためには、もはや必携のアイテムだ。見やすくて丈夫、電源確保も容易で稼働時間も長い。収録コンテンツが豊富なうえ、操作のレスポンスも良好。これを一度使ってしまうと、もうモノクロの電子辞書には戻れないだろう。ビジネスマン、ビジネスウーマンは常にバッグにしのばせておきたい一台だ。