――「XD-A8500」は、ビジネスパーソン寄りのコンテンツを数多く収録していますね。

上田「はい。基本となる英語・国語系辞書や12ヵ国語の旅行会話集などに加え、ビジネス用語や資格・検定取得に役立つコンテンツを130コンテンツ、さらに日本文学300作品と世界文学100作品を収録しています。20~40代のビジネスマン、ビジネスウーマンの方々に持っていただきたいですね。私自身がちょうど対象ユーザーに当てはまる、ということもありますが、この機種には特に力を入れています。

写真に見えるコンテンツのほか、パソコン用語、会計監査、ビジネス法務、経済ビジネス英語など、ビジネスシーンで活躍しそうなコンテンツが網羅されている

外観にしても、定番のブラック×シルバーはもとより、バイオレット、ピンク、ブルーとエレガントな色調のカラーバリエーションを揃えていますし、後者3色についてはフレームデザインも凝っていて、クリスタル、リング、チェーンと色ごとに変えています。これは、私もすごく気に入っているんですよ」

デザイナーズブランドのマークを想起させるパネルデザインは、女性ユーザーを意識したもの

――なるほど、これなら女性でも持ち歩きたくなりますね。

上田「電子辞書とはいえ、あまりにも機械っぽいものではなく、女性にも受け入れられやすいデザインにしたかったんです。これからは、女性にもお洒落にサッと引ける電子辞書の啓蒙をしていきたい。高校生ユーザーは男女比が半々くらいなのですが、40代以上では男性のほうが多くなります。50代では男性が圧倒的になります。仕事の関係で英語や中国語を勉強している、という方も多くいらっしゃるようです」

――自分を含め、周囲を見て感じるのですが、30~40代って実は電子辞書に馴染みが薄いのではないでしょうか。

上田「そうなんですよ。現在20代前半の方は、高校生の頃に電子辞書を使っていた方が多く、身近な存在なんです。ところが、20代後半から40代は、電子辞書は知っているけど持っていない、という方が多い世代なんです」

――ただ、エクスワードは電子辞書の定番ブランドとして幅広い世代に認知されているのも事実ですよね。

上田「おかげさまで、電子辞書の中ではずいぶん名前が根付いてきました。エクスワードという名前が通じるところまでようやく来たかな、という感じですね。機種の多さがシリーズの強みのひとつでもありますし、幅広い層のお客様にお使いいただけているので、認知度も上がってきたのではないでしょうか」

EX-wordは、今や電子辞書の定番ブランド

――現在、電子辞書市場でのシェアはどのくらいなのですか?

上田「大手調査会社さんによる2009年のメーカー別シェアは、当社が56.1%となっています。デジタル系のアイテムで、1メーカーがシェアの過半数を取っているものは少ないと聞いているので、これはすごくありがたいですね。それだけ多くのユーザーさんにご愛顧いただいているということですから。

ゆくゆくは、『電子辞書といえばエクスワード』と皆様から思っていただけるようになればいいな、と思います。たとえば、『電子辞書はどこのものをお持ちですか?』というアンケートでは、メーカー名で回答される方が多いんです。でも、中には『カシオ』じゃなくて、『エクスワード』と答えてくださる方も結構いらっしゃるんですよ。製品に関わる身としては、それが何より嬉しいですね」