プラットフォーム

さて、今回新たにSocket G34のプラットフォームが公開されたが、これに続きSocket C32のものが近日(第2四半期中、ということだったが、Fruehe氏にカマを掛けてみた感じではCOMPUTEXあたりではないかと思われる)が登場する。ただSocket G34にしてもSocket C32にしても、チップセット自体は昨年発表された「SR56x0/SP5100」の構成となる。これを使った構成例だが、例えば2Pの場合は図1の様になる。OpteronからHyperTransport Link経由でSR5650/5670/5690というPCI Express Hubに接続し、ここから更にA-Link Express II経由でSP5100と接続される形態だ。SP5100はSB710のサーバー向けで、IOMMU(AMD-Vi)に対応しているのがSB710との大きな違いとなる。

図1:

このSR56x0は、SR5650が22Lane/8Engine、SR5670が30Lane/9Engine、SR5690が42Lane/11Engineという構成だ。Laneは要するにPCI Expressのレーン数の合計だが、Engineの方は「合計の接続数」と考えれば良い。例えばSR5690の場合、42レーンを、

x8+x8+x8+x8+x4+x4+x1+x1

なんて分割し、x8スロットにGPUカード、x4スロットにRAID、x1にGbEやUSB 3.0を取り付けると最強のゲームマシンになるわけだが、この場合Engine数は8となるというものだ。

実はこのSR56x0/SP5100、最初に登場したのは2008年である。2008年にIDFの裏番組で、このSR56x0を使ったSocket F向けのFiorano platformが公開されており、当初はもう少し早く登場するはずだった。ところが実際に登場したのは、IstanbulベースのOpteronと同じ2009年9月のことであり、半年後にはSocket G34/C32が登場することを考えたら、Socket Fへの採用がそれほど進む筈もない。そんな訳で、登場したのは2009年ながら、これを利用したシステムが登場するのはこれからという事になる。

余談ながら、このSocket G34/Socket C32は2011年に登場するBulldozerベースのInterlagos/Valenciaでもそのまま使える様に配慮されているが、その先は? とFruehe氏に聞いてみたところ、彼の私見では2013年もまだこれを使う顧客は居るだろう、という話だった。逆に言えば、2012年あたりから、次のPlatformが予定されており、今回のSocket F→Socket G34/C32と同じ様に次第に入れ替わってゆくのではないかと思われる。