簡単さと安全性を備えたHD革命BackUp

さて肝心のバックアップだが、コンピュータに関する知識をお持ちのユーザーであれば、Windows 7標準のバックアップ機能でも十分だ。しかしながら、各ソフトウェアメーカーがリリースしているバックアップツールの機能差がよくわからない方や、とにかく簡単に安全なバックアップを実行したい、とお悩みの方には「HD革命/BackUp Ver.9 for Windows 7」(以下、HD革命BackUp)をお勧めしたい。

HD革命BackUpは、Windows 2000 / XP / Vista / 7を対象に、OS本体やアプリケーション、各種設定といったHDDの内容を丸ごとバックアップ・復元できるソフトウェアだが、特筆すべきはたった1ステップの操作で、ホストドライブをバックアップできる点にある。「ワンステップバックアップ」と名付けられた機能を使用することで、自動的にバックアップデータの保存先も、空き容量がもっとも大きいボリューム(もしくはデバイス)が選択され、バックアップを作成できるというものだ。

Windows 7が備える設定情報やユーザーファイルのバックアップと、HDD全体のバックアップ機能が混合しているケースや、ほかのバックアップツールのように設定項目が多いため、せっかくのウィザード操作も面倒になってしまうような煩雑がないので、バックアップ操作に不慣れな方でも、迷わずに操作できるだろう(図03~06)。

図03 ワンクリックでバックアップを実行できる「ワンステップバックアップ」。同機能を実行すると自動的にバックアップ元・先が自動選択される

図04 <バックアップ開始>ボタンをクリックすると、確認をうながすダイアログが起動するので<はい>ボタンをクリック

図05 これでホストドライブのバックアップを実行できる。Windows 7の操作に不慣れな方でも、簡単にバックアップを実行できるだろう

図06 バックアップ環境を示すメッセージが表示されれば作業完了。<OK>ボタンをクリックしてダイアログを閉じよう

一方で簡単なバックアップ操作では満足できず、ある程度コンピュータの仕組みを理解している方なら、通常のバックアップ方法を用いた方が安心だろう。ホストドライブのバックアップは通常形式と差分形式が用意されている。後者となる差分バックアップとは、通常形式で作成したバックアップデータを元に、変更点が加わった部分のみをバックアップ対象とするというもの。

加えて、ホストドライブ側で削除したデータは、バックアップデータからも取り除かれるため、作業時間の軽減やバックアップデータの肥大化を最小限に抑えることが可能だ。ただし同機能を使用する場合、バックアップデータの変更が必要となるため、CD-RやDVD-Rといった追記書き込みが難しいバックアップメディアは使用できない。コンピュータに内蔵したホストドライブと異なるHDDや、USB形式などで接続する外付けHDDなどをバックアップメディアとして選択すべきだろう。

肝心のバックアップデータ保存先だが、内蔵もしくは外付けHDDに加え、CD/DVD/Blu-rayの各書き込み可能な光学メディア、リムーバブルメディア、ネットワークドライブをサポートしている。特にネットワークドライブはWindows 7 Home Premiumのように、バックアップデータの保存先が制限されている環境では有意義だ。最近では安価なNASサーバーも増えているので、デスクトップコンピュータとノートパソコンにHD革命BackUpを導入し、各バックアップデータを一元管理すると安全性も高まるだろう(HD革命BackUpは、同一個人が所有するパソコン二台までインストール可能)。

なお、バックアップ時に詳細モードを選択すると、隠しボリュームをバックアップ対象として取捨選択することが可能だ。そもそもWindows 7では、自身を起動するためのシステムファイルを格納する「システムで予約済み」という隠しボリュームが自動的に生成される。通常モードや前述の「ワンステップバックアップ」では自動的に含まれるが、ノートパソコンのように自身のリカバリーデータを隠しボリュームに含めている場合など、詳細モードで選択するように心がけよう(図07~15)。

図07 こちらはアーク情報システム製アプリケーションではお馴染みの「Arkランチャー」。ここから<ドライブの丸ごとバックアップ(通常モード)>をクリックする

図08 初回は対象となるバックアップデータが存在しないため、「新規バックアップ」形式のみ選択可能だ

図09 次にバックアップ対象となるボリュームを選択する。ここで<差分バックアップの対象にする>のチェックが入っているか確認しておこう

図10 今度はバックアップの保存先を選択する。自動的に空き容量の多いデバイスもしくはメディアを選択する機能は、このウィザードでも有効だ

図11 最後にバックアップの流れが視覚的に示される。誤ってバックアップ元・先を設定してしまった経験のあるユーザーにはありがたいだろう

図12 確認をうながすダイアログを経て、

バックアップが実行される

図13 バックアップ完了を示すメッセージが表示されれば、通常のバックアップ作業は完了となる

図14 次回以降は「差分バックアップ」が選択可能になる。大まかな流れは通常バックアップ時とほぼ同じだ

図15 差分バックアップ時は、バックアップデータが破損していないか確認をうながすオプションが使用可能になる