――2001年にコンビ結成。上京後、まずは『ルミネtheよしもと』が二人の出発点ですね。
佐藤 : 「ルミネでは『ゴングショー』という1分間ネタをやるコーナーをクリアしたのですが、その後の『7じ9じ』という枠にどうしても出れない時期が続いたんですよ。で、ある日、ペナルティーさんが仕事で遅れてしまうということがあって、前説が終わった後もルミネに残っていたら『出てみないか』と声をかけられたんです」
黒瀬 : 「今思えばラッキーでしたね」
――『M-1』でのネタも含め、パンクブーブーのネタはどれも仕上がりが完璧な印象があります。
佐藤 : 「ところが、仕上がったことは今まで一度もないんですよね~、これが(笑)。何度も何度も練り直しがきくものですから、スベったところを直してはスベり、また直すということの繰り返しなんですよ。作ったネタはとりあえず舞台でやってみて、そこから修正していく。ですから打ち合わせというよりは、実際に舞台でやる回数の方が多いです」
黒瀬 : 「はじめからというより、コンビでやっているうちにそうなっていった感じですね。あんまりお互い練習が好きじゃないというのもありますし」
佐藤 : 「いやいやいや、おまえだけだろ!」
黒瀬 : 「あ、そうだった?(笑)」
佐藤 : 「こいつ、『夜が弱い』からって0時過ぎたら絶対に家に帰るんですよ~」
黒瀬 : 「だって、朝までやったらしんどいし、顔もパサパサになっちゃうし……(笑)。このままやっても先に進まないし……」
佐藤 : 「……って、めちゃくちゃ進みそうなのに言うんですよ、こいつ」
――今回リリースされるDVD『爆笑オンエアバトル パンクブーブー』は、パンクブーブーの成長が見られると共に、これまでの集大成的な内容になっています。
佐藤 : 「DVDは前からホントに出したかったので、素直に嬉しいですね」
黒瀬 : 「実は僕ら、チャンピオンになってないんですけど、こうしてDVDが出ることはやっぱり嬉しいです。『オンバト』は僕らが東京に出て来て一番初めに出たテレビ番組なので、感慨深いものがあります」
佐藤 : 「24本もネタがあるのでいろいろなスタイルがありますけど、ちびっ子からお年寄りまで、老若男女誰もが笑える分かりやすい笑い、という僕らのベースの部分は変わってませんし、それが確認できると思います」
――特に思い出に残っているバトルは?
佐藤 : 「やっぱり第1回目ですね。そうそうたるメンバーに囲まれた長崎大会だったんですけど、他の出演者の方々が会場に着いたバスから降りるたびに歓声が上がる中、僕らが降りたら『シーン』ってなりましたから(笑)。それはもう怖かったですよ」
黒瀬 : 「さらに怖いことに、チャンスは1回だけでしたから」
佐藤 : 「1回目でオンエアされなかったらもう二度とチャンスが回って来ないんです」
黒瀬 : 「なんだこの1回目、と思いましたよ(笑)」
佐藤 : 「すさまじいプレッシャーでしたね」
――でも、そんな重圧をはねのけ、歴代最高得点で見事オンエアを果たしました。
佐藤 : 「手ごたえはありましたけど、これでひと安心って気持ちはまったくなかったです。ただ『2回目につながったな』という。その2回目も点数が低ければ当然、次はありませんから」
「失敗したら次はない」。とてつもない緊張感に毎回さらされながら、パンクブーブーの笑いは次第に研ぎすまされていく。その緊張感が『M-1』の優勝をもたらす要因となったのかもしれない。そんな彼らの今後は……続きを読む