本稿で取り上げたFMV-BIBLO LOOX U/G90Nは、富士通WEB MARTによる直販モデルとしてさまざまなカスタマイズに対応しており、CPUが最大でIntel Atom Z550(2.0GHz)を選択可能。さらに、最大62GBのSSD、最大約7.8時間駆動が可能となる「内蔵バッテリパック(L)」(FMVNBP183)の追加などが行える。なおバッテリについては、長時間持ち歩くことが前提の場合は、「内蔵バッテリパック」(FMVNBP18シリーズ)を別途複数購入するというユーザーも少なくないようだ。

その他の仕様は、メモリが最大2GBで、LEDバックライト付きの1,280×800表示対応の5.6型ワイド スーパーファイン液晶を搭載する。OSについても、Windows 7 Home Premium以外にWindows XP Home Editionも選択可能だ。

試用したLOOX Uのスペック

Windowsのエクスペリエンスインデックスの結果。CPU性能が足を引っ張っている形だが、無理な操作をしなければそれほどストレスはない

就活サイトなども、当然のようにらくらく表示できる

フルWindowsを搭載するので、あらゆる企業サイトを閲覧できるし、Flashや動画を使ったサイトでも問題なく確認できる。便利なWindows用ソフトも活用できるし、WordやExcelなどのOffice製品やPDFの閲覧、メールなども問題なく使える。

こうした豊富な機能に加えて、当然QWERTYキーボード(75キー)も搭載。キーピッチは16mm、キーストロークは1.2mmで、本体サイズに合わせてキートップもかなり小さいサイズだが、キータイピングできないサイズではなく、慣れれば携帯にはできない高速な入力が可能だ。

フルキーボードを搭載。小さい中に詰め込んだという印象で、キーがぎっしり詰まっている

本体幅に合わせたキーボードは、小さいだけでなくキー配置がちょっと独特ではある。左[Tab]キーが最上部の[Esc]キーの隣にあったり、ファンクションキーは[F1]~[F6]と[F7]~[F12]キーが共用で[Fn]キーで切り替えたり、キーボード右側の[「][」](カギ括弧)や[¥]キーの位置が最上部にあったりと、慣れないと最初は戸惑いそう。ただ、それでもフルキーボードという意味は大きく、入力の多いシーンでは有効に活用できる。

実際の入力時、男性の手だとかなり詰まった印象を持つが、手の小さな方や女性の方が扱いやすいかもしれない。慣れない内は誤入力もあるが、そのうち素早いタイピングができるようになる

キー割り当てをよく見ると、微妙に特殊な配列になっている。これにどれだけ適応できるかが、使いやすさを左右するだろう

操作もちょっと独特だ。マウス代わりにスティックポイントとクリックボタンがあるが、いずれも液晶とキーボードの間に配置されている。この配置が威力を発揮するのが、本体の側面を両手で支えて持つ場合だ。ちょうど親指でスティックポイントとクリックボタンを操作しやすい位置になっており、立ったままPCを使う場合などに非常に有効だ。通常の座った状態で操作がしづらくて耐えられないというわけではなく、立っても座っても使えるようによく練られた位置にあると思う。

スティックポイントとクリックボタンはこの位置なので、こうして両手で持つ使い方なら使いやすい

液晶の両脇には、5つのワンタッチボタンを配置。デフォルトでは、ボタン1に「らくらくズーム Lite」が割り当てられており、ここを押すと画面が拡大表示される。画面に表示された文字やアイコンが小さい場合、後述するタッチパネル操作がしにくいことがある。そんな時は「らくらくズーム Lite」を起動すると、自動的に画面が拡大表示されるので見やすく、操作しやすくなる。単純に拡大しているわけではないようで、文字の輪郭などはちょっとぼやけてしまうが、操作性はかなり向上する。

液晶左右にあるワンタッチボタン。画面を拡大する「らくらくズーム Lite」や辞書ソフト、省電力設定を起動するボタンが左側に、Webサイトなどでスクロールに使えるスクロールボタンが右側にある

ワンタッチボタンは、「ワンタッチボタン設定(タッチパネル用)」を利用しカスタム化が可能だ

「らくらくズーム Lite」は3段階で拡大表示。最大表示にすると、タッチ操作でも操作しやすくなる