ほっとひと呼吸を入れて、胸がふわりと温かくなるような優しい時間。忙しい日常の中のどこかに忘れてきてしまったそんな瞬間を思い出させてくれる、と人気のドラマ『木下部長とボク』(読売テレビ・日本テレビ系)。そのドラマでエンディングテーマ『君とボクと』を歌うのは板尾こうせつなるフォークデュオだ。「エンディングの歌まで聴いて、ドラマを見終えたと実感する」と視聴者に言わしめるほど物語にシンクロしたほっこりハートフルな癒しを生むこのナンバーはドラマの脚本・演出を手掛ける大宮エリーの発案で実現した奇跡のコラボによる一曲。フォークソングの重鎮・南こうせつ作曲、大宮エリー作詞で、板尾と南が優しいハーモニーで聴かせるというこの豪華コラボに至るまでのことを板尾創路×大宮エリーの、これまたスペシャルな対談でひも解いてみよう。
――そもそも大宮さんと板尾さんとの出会いはどれくらい前のことなんですか?
板尾創路(以下、板尾) : 「どれくらい前やろ?」
大宮エリー(以下、大宮) : 「4年くらい前ですね。テレビ局の楽屋でしたね」
板尾 : 「日テレの楽屋ですね。大宮エリーが僕をPVの物語の主役にするっていう仕事で初めて会ったのが最初でした」
大宮 : 「最初は『うん、うん』って相槌を打つばかりだから『怖い人なのかなぁ?』とも思ってたんだけど、最後に『これあげる』ってキーホルダーをくれて『ああ、いい人やな』って(笑)」
板尾 : 「その時、入ってきた関係者の中に女の人は何人かいたんだけど『ああ、この人が大宮エリーやな』ってすぐにわかったのを憶えてますね。ちょっとおどおどしていた感じがあったから(笑)」
大宮 : 「おどおどしてましたね(笑)」
板尾 : 「女性監督ってあまり仕事したことなかったんだけど、大阪弁やし、昔から知ってるような雰囲気もあったので、なんか良かったんですよね。でもまだ初対面で何を言っていいのかもわからへんから、たまたまそのときに持っていたキーホルダーを『あげる』って。今はもうどっか行ったらしいけど」
大宮 : 「わりとかわいがってたんですけど。でも色々くれるんで(笑)」
板尾 : 「餌付け感覚やな」
大宮 : 「それからご飯に行ったりしたんです。初めては下北沢のごはん屋さんでしたね」
板尾 : 「初めてだからお互い友だちを連れて来ようって言ってたけど、結局、お互い誰も連れてこなかったんやな(笑)」
大宮 : 「私、あの時が芸能人の人と2人きりでご飯に行ったのが初めてだったんです。そしたら『どこにしようかぁ』って、あんまり知らんみたいでびっくりした。『ここでええか?』って、自分で行ったこともない店に連れられて行って。でも初めてなのにすごく飲んで、くだをまいたのを憶えてます(笑)」……続きを読む