Internet Explorer 9 |
マイクロソフトは16日、次期WebブラウザとなるInternet Explorer 9(以下IE9と略記)のプラットフォームプレビュー版を公開した。これは、米国ラスベガスで開催されていた開発者向けカンファレンスMIX10において発表されたもので、同時にダウンロードも可能となった。現時点では、開発者向けのために、必要な機能しか盛り込まれていない。しかし、次期Webブラウザの新機能は非常に興味深いものがある。早速であるが、本稿でそのいくつかを実際に紹介したい。
Internet Explorer 9プラットフォームプレビュー版のダウンロード
まずは対応OSであるが、Windows 7/Vista SP2となっている。さらに、Vista SP2では事前にInternet Explorer 8とDirect X 2D(D2D)がインストールされている必要がある。この時点では、XPへは未対応となっている。これは、Direct X 2D(D2D)にXPが対応していないことが理由であろう。マイクロソフトでも、XPへの対応は見送られるとの見解を発表している。まずは、IE9のWebサイトから、プレビュー版をダウンロードする(図1)。
図1 IE9のWebサイト |
iepreview.msiというファイルがダウンロードされる。14MBほどなので、時間もさほどかからず終わるだろう。iepreview.msiをダブルクリックして、インストールを行う。特に設定することもなく、インストールが行われる。
で、起動したIE9が図3である。
IE9の新機能には、
- HTML5
- HTML5の実行にGPUハードウェアアクセラレーション機能を利用
- DOM
- CSS3などの標準規格への対応を強化
- JavaScriptのパフォーマンス向上
がある。IE8ではグレーアウトしたメニューが実行可能になり、これらの機能を図3のWebページで実際に確かめることができる。
新機能のデモを試す
IE9では、Windowsのグラフィック機能を利用し、GPUハードウェアアクセラレーションが使える。まずは[Speed Demos]の[Flying Images]を試してみた。ブラウザ内に表示される図が、マウスの動きに連動し、移動・変形を繰り返す。その際に、3次元空間を使うもので、描画では相当の描画パワーが必要となる。実際にデモを行ったのが、図4である。
1秒間に65フレームが処理されている(左上に値が表示される)。IE9では戻るボタンがないので、ページの右上の[Return to Test Drive Demos]で、図3のメインメニューに戻る。これをIE8で試したものが、図5である。
1秒間で5フレームしか処理できず、非常にギクシャクとした動きとなっている。次に試してみたのは、テキストレンダリングである。[Speed Demos]の[Text Size Amimated]を実行する。メニューにある[Animete Font Size]を実行すると、小さい文字かアニメーションのように拡大していく。
IE9では、サブピクセルを使い描画を行う。そのため、非常に滑らかな表示になる。これもIE8と比較してみよう。
ハイフンなどのジャギーが見てとれる。