――MWCで発表したX10のミニバージョン「X10 mini」とミニとQWERTYキーボードを組み合わせた「X10 mini pro」について教えてください
X10 miniはX10のパワーを小型端末に濃縮させた。X10はすばらしい機能を備えた端末だが、ポケットに入るサイズではない。同じぐらいパワフルで小型化できないかと考えた末に誕生したのがX10 miniだ。これに、市場のニーズが高いQWERTYキーボードをつけたものがX10 mini proだ。
現在、スマートフォンといわれるもののすべてが両手を使う必要があるが、miniはこれを片手で、ユーザーによっては見なくても操作できるようにしている。例えば、ユーザーインターフェイスを最適化して四隅にアイコンを設置している。これで、音楽プレイヤーなどの機能に迅速にアクセス可能だ。
X10 miniとX10 mini proは、まったく新しいユーザーセグメントを開拓するだろう。ユーザーはX10ファミリーとして認識し、ファミリーの中からどれが自分に合うのかを選択できる。
――新しいユーザーセグメントとは? miniやmini proの想定ターゲットは?
スマートフォンに搭載されるような機能は必要だが、スマートフォンを買おうとは思っていないようなユーザーを意識している。セグメントというより、コミュニティと見ている。具体的には、オンラインで生活しているような人々だ。社内では「DJ」と呼んでいるが、検索、ショッピング、友人とのコミュニケーションなどをオンラインで行う人で、彼らは既存のユーザーセグメントでは分類できないと考えている。
――プラットフォーム戦略は? Androidが主力になるのですか?
MWCで第1四半期の中核となる5製品がすべて揃った。「Xperia X10」「Xperia X10 mini」「Xperia X10 mini pro」のX10ファミリー3機種とSymbian搭載機「Vivaz」「Vivaz Pro」だ。
プラットフォームは、今後もSymbian、Android、Windows Mobileを採用していく。(MicrosoftがMWCで発表した)「Windows Phone 7」も支持を表明している。
われわれがフォーカスしているのは、ユーザーエクスペリエンスだ。先に紹介したUXPがそのひとつで、プラットフォームやOSはその下にあるものだと考えている。それぞれのプラットフォームがわれわれ、そしてエンドユーザーにもたらすものは異なるので、選択して使い分けていく。
ミッドレンジからハイエンドの機種では、Symbian、Android、Windows Phone 7(Windows Mobile)の3つを使う方針だ。その中でもエンターテインメントとコミュニケーションではAndroidとSymbian、ビジネス向けではWindows(Windows Phone 7/Windows Mobile)を使用するなど、用途に応じて使い分けていく。