Inspiron ZinoHDのターゲットはどういったユーザーかと考えてみると、リビングに設置して家族みんなで共有するといった使い方や、一人暮らしでPCにスペースを占有されたくないといったユーザーにピッタリではないだろうか。

要するに「もっとPCを気軽に使いたい」といったユーザーに最適であり、「PCの限界性能を求める」といったユーザーには不向きかもしれない。実際にベンチマークを測定したところ、3D系ベンチマークについてはそこそこといった結果に終わった。これは当然の結果でもある。

そこで、ターゲットユーザーがよく使用されると思われる、HDムービーの再生について検証するべく、YouTubeやニコニコ動画、さらにはビデオカメラで撮影したデータを再生してみたところ、ラグはなく安定した映像再生能力を発揮していた。

主観ではなく数値的な結果を得るため「PCMark Vantage」で測定したところ、以下のような結果となった。

■PCMark Vantage
Score Memories Score TV and Movies Score Gaming Score
2913 1908 1748 2195
Music Score Communication Score Productivity Score HDD Score
2964 2766 1967 3168

全体的に数値は低めといった印象だが、一般的な利用法では不満点を感じることはまずないだろう。動画サイトの閲覧、ネットサーフィンやメールのやり取りなどに使うだけなら、むしろオーバースペックといえるほど快適なはずだ。

また、3D系のベンチマークとして「Vana'diel Bench 3」と「3DMark 06」のテストも行なった。その結果は以下の通りだ。

■3DMark06
3DMark SM2.0 Score HDR/SM3.0 Score CPU Score
2514 922 1025 1242
■Vana'diel Bench 3
High Low
3954 5795

結果からもいえるように、3Dに関してはあまり芳しい結果ではない。海外ゲームにありがちな、3Dの描写が非常に精細なタイトルに関しては非力だが、それでも「FINAL FANTASY XI for Windows」程度の3Dゲームであれば、Inspiron ZinoHDでも十分楽しめるだろう。