T400とはかなり違う新シャシーを採用することで、ほとんど新しいマシンと言ってよい
冒頭でも触れたように、ThinkPad T410という製品名からは、ThinkPad T400のマイナーバージョンアップという印象を受けるかもしれないが、2つの意味でThinkPad T410はコンプリートニューマシンとよんでよい製品だ。
1つめの理由として挙げられるのは、ポート類の位置などが変更されており、T400とは筐体がかなり変更されていることがあげられるだろう。まず、新しいポートがいくつか追加されており、DisplayPortが本体の左側面に、eSATAのポートが本体の右側面に追加されている。さらにUSBポートの配置もT400では左側面に3ポートに縦に配置されていたのに対して、T410では左側面に横に2つとDisplayPortの下に1つ、さらに右側面に1つと合計で4ポートに増やされている。かつ、右側の1ポートは常に電力が給電されるタイプになっており、PC本体の電源が切れている場合でも携帯電話やiPodなどUSB充電に対応した機器を充電できるように配慮されている。
本体の右側面。左からExpressCard/34スロット、無線スイッチ、eSATA、オーディオ端子(マイク/ヘッドフォン共用)、光学ドライブ(ウルトラベイ)、電源オフでも給電されるUSBポート、IEEE1394(4ピン)が用意されている |
もう1つ新しいことが、PCカードスロットが廃止されたことだ。ThinkPad Tシリーズのようなビジネス向けの製品の場合、継続性という意味でPCカードリーダーはずっと搭載されてきたが、主な用途だったカードリーダーは標準で別途用意されており、通信カードもほとんどがUSBへと移行したため、PCカードスロットは不要だと判断されたのだろう。なお、その代わりにExpressCard/34とSDカードリーダーが用意されている。
通信機能だが、標準では無線LANか無線LAN/WiMAXのコンボモジュールから選択することができる。無線LANは理論値が最大で450Mbpsに達するアンテナが3x3構成になっているIntel Centrino Ultimate 6300を選択することができる。なお、いわゆるワイヤレスWANと呼ばれる3Gの通信モジュールは日本では選択肢として用意されていないが、米国など別の地域向けにはワイヤレスWANのモジュールがCTOの選択肢に用意されており、今回レビューに利用した機材は米国向けの構成になっているため、3Gのモジュールが内蔵されていた。WiMAXは確かに高速で料金も安いのだが、現時点では都市部でこそ利用できるが都市部から離れると利用できないことが少なくない。そうした意味では、3Gと併用できると便利だと思われるので、できれば日本でも3Gモジュールの選択肢を用意して欲しいところだ。
なお、液晶に関してはT400シリーズと同じく、WXGA+(1,440×900ドット)ないしはWXGA(1,280×800ドット)の2種類のモデルが用意されている。ただ、T410シリーズでは解像度こそ一緒だが、液晶の種類はLEDバックライト液晶に変更されており、明るさは従来モデルと変わらないか明るくなっているのに消費電力が大幅に下がっているというメリットがある。