さらにもうひとつ。常備するPCとしては、軽さや小ささに加えて、バッテリー駆動時間も重要だ。それが旧モデルから短くなり、公称値で約4時間となったのがやはり気になる。ここは開発陣も大いに悩んだそうだ。小林氏は「大きくしかったんですけどね。やはり厚みを優先した結果、現在の2セルタイプを採用しました。同じ厚みでも、乾電池タイプのセルを使えば前機種と同じ稼働時間を得られるんですけど、それをやるとヒンジが円柱状になって、これまでのLOOX Uに似たデザインになってしまいます。バッテリーは大きいに越したことはないんですが、開発の順序どおりに、サイズとデザインを優先した結果です」と語った。

別売りオプションの内蔵バッテリパック(L)を装着すれば、公称値で約7.8時間稼働するが、重量が約612gとなり、厚みも23.8mmから31.6mmに増える

同じく苦悩の末、ヒンジの形状を優先するために、コンバチブル構造を省いて、タブレットPCという個性をもそぎ落とした。そこまでこだわって作ったLOOX Uだが、道具としてはどんな差異化を図っているのだろう。最後にそこのすてきなサムシングを、確かめよう。見つけよう。

小中氏がまとめて答えてくれた。「初代からLOOX Uは『外で立って使える』というのが一番のポイントとなっています。外でPCを使うなら、やはりネットにも気軽にアクセスできなければならない。そこで、新モデルは無線LANだけでなくWiMAXを内蔵しています。インターネットがすぐ使えて、アプリケーションを入れられれば色々なファイルの編集も普通にできる。そのうえで、カバンなしで常に持ち歩けるというところに注目してもらいたいです。モバイルガジェットとして、今はiPhoneやスマートフォン、モバイルノートがありますが、LOOX Uはその中間でいいとこ取りしたアイテムなんですよね。是非、電車の中や街中で使ってみてください。きっと使う方の生活をもっと豊かにできると自信を持っています」