日本印刷技術協会が主催する「PAGE2010」が、2月3日(水)から5日(金)までの3日間、サンシャインシティコンベンションセンターTOKYOで開催された。

3日間の来場者数は7万2,470人。前回のPAGE2009の来場者数が7万4,360人なので1,890人ほど減った計算になるが、昨年秋に開催されたJGAS2009の4割減に比べれば十分検討してるといえるだろう。ただし、昨今の厳しい経済状況を反映してか、展示ホールは前回の4ホールから3ホールに縮小された。ハイデルベルグやエスコグラフィックス、リコーなど、前回大きなブースを構えていたメーカーが出展を見合わせているなど、いささか残念な状況である。

今回のテーマは「新生グラフィックビジネス」。従来のDTP関連、JDFやMIS(管理情報システム)といったワークフロー関連に加え、デジタルプリントやクロスメディア、デジタルサイネージ(電子看板)にも重点を置き、これら全体にわたるビジネスを考えているとのことである。

なお、先般発表されたAppleの「iPad(アイパッド)」や海外で販売されているアマゾン Kindleなどの影響を受けてか、スターティアラボ社など電子書籍関連はかなりの注目を浴びていたようだ。それら詳細は他のニュースサイトに譲るとして、本稿ではハードウェア主体に展示会内容を紹介していきたい。なお、今回のPAGE展で参考出品された注目に値するハードウェアに関しては、別途の記事を掲載予定している。


展示会場受付

展示会場受付は前年、前々年のワールドインポートマート4階から例年の文化会館2Fに戻った。


ナナオ

展示ホールD/文化会館2階のナナオブース。右は参考出品された24.1型ColorEdge。専用のキャリブレーションセンサーをモニターベゼル上部に内蔵し、モニター単体で精度の高いキャリブレーションを実現する。また、縦回転時にも遮光フードが活用できるなど、かなり意欲的なモニターだ。発売は5月過ぎを予定。価格は未定だが、ColorEdge CG243Wから2-3万円アップする程度らしい。こちらは別途記事を掲載する予定。


NECディスプレイソリューションズ

NECディスプレイソリューションズのブースでは、2月22日発売の新製品「MultiSync LCD-PA241W」および、その27型モニターが参考出品されていた(写真右)。27型はLCD-PA241Wと同じく専用ASIC(SpectraViewエンジン)を搭載し、3Dルックアップテーブルへの対応や印刷エミュレーション、色覚エミュレーションなどの優れた機能を搭載しつつも、iMac 27インチと同様の2,560×1,440ピクセルの表示領域をもつ。


Too、クオークジャパン/ソフトウェア・トゥー

Tooブース(写真左)ではオートデスク社の3Dソフトを展示。オートデスクといえばAutoCADで知られたCADソフトウェアメーカーだが、かつて3Dスタジオマックスと呼ばれた「3ds max」以外に、買収によるエイリアス・システムズ社の「Maya」やソフトイマージュ社の「SOFTIMAGE XSI」といった3DCGソフトもラインナップしている。Tooでは3ds maxとMayaを展示。特にCADとの親和性が高い3ds maxを使うことで、製品撮影を3DCGに置き換えることが可能になり、現在広告業界でも画期的な手法として注目されている。右はクオークジャパンとソフトウェア・トゥーの共同ブース。QuarkXPress 8を中心に小規模セミナーを行っていた。


ピクトリコ

インクジェットプリンタ用出力メディアのピクトリコではインクジェットプルーフ用紙をメインに展示。昨年発売した薄手のプルーフ用紙は扱いやすく、好評を得ているとのこと。また、表面にプルーフ用紙を使用したコートボールやダンボールもパッケージダミー制作の現場で重宝されているようだ。右はエプソンブースの写真だが、PX-H8000の紙器のサンプルプルーフにピクトリコのコートボール紙が採用されていた。