iPadにKindle、iPhoneにBlackBerry、Google検索、iTunesとiPod、そしてFacebookにTwitterなど、このところMicrosoftが画期的な製品を出せずに話題をすべて他社にさらわれている現状は、同社の内部的要因にあるという。1997~2004年にかけてMicrosoft製品開発チームのバイスプレジデントとして在籍していたDick Brass氏が米New York Timesの特別寄稿の中で過去の出来事に触れ、こうした同社の体質について告白している。

このままでは最先端の座に位置するのは厳しい

これは「Microsoft’s Creative Destruction」というタイトルでNYTの4日(現地時間)付けの紙面に掲載されたもの。1月28日に同社会計年度で2010年第2四半期(2009年10-12月期)の決算を発表したMicrosoftだが、190億ドルという過去最高の売上を記録することができた。だがこうした状況にも関わらず、同社の売上は依然としてWindowsとOfficeの2大製品に頼り切っている状況であり、今後もこの数十年来の製品を抱え込んだまま栄光が続くとは限らないと警告している。

Microsoftはこの間に膨大な金額の研究開発投資を行い、どこよりも優れた人的リソースと資金、世界で最も進んだ研究所、そして3人のCTOという贅沢な環境にあるが、実際には画期的な最新製品は生み出せていない。後から大量の資金を投入して追いつこうとするものの、ゲーム機や携帯音楽プレイヤーで有利な戦いはできず、WebブラウザやハイエンドノートPC、スマートフォン分野ではシェアを失い、このままではテクノロジー企業としての最先端の座に位置するのは厳しいというのだ。