講談社「good! アフタヌーン」公式サイト内にて展開されている人気ブログ『フィオナ旅行記』が、オリジナルドラマCDレーベル「natalis」よりドラマCD『フィオナ旅行記~命の国アクシミリア~』となって、2010年3月11日にリリースされる。価格は3,150円。

『フィオナ旅行記』がドラマCDになって登場

遠く彼方の異世界の住人が、近況をリアルタイムでWEB上に公開するという『フィオナ旅行記』。今回のドラマCD化にあたって、メインキャラクターとなる主人公・フィオナとヒノクレが「good! アフタヌーン」誌上でのアンケートによってキャスティングされたことでも話題となっている作品だ。そこで今回は、『フィオナ旅行記ドラマCD』でフィオナ役を演じる井上麻里奈とアリア役の小松由佳が語った本作の魅力を紹介していこう。

■『フィオナ旅行記~命の国アクシミリア~』登場人物
○フィオナ・ローエングラム (cv. 井上麻里奈)
21歳・女性。軍事大国ローレシアの元軍人少尉
○ヒノクレ (cv. 小清水亜美)
旅の途中でフィオナに拾われてから行動を共にする女性
○アリア (cv. 小松由佳)
ある町でフィオナと出会う少女

井上麻里奈と小松由佳が語る『フィオナ旅行記ドラマCD』

先に紹介したヒノクレ役の小清水亜美に続いては、フィオナ役の井上麻里奈とアリア役の小松由佳が登場。本作ならではの掛け合いの妙など、『フィオナ旅行記ドラマCD』の魅力を存分に語ってくれている。

――まずは本日の収録の感想をお願いします

小松由佳(左)と井上麻里奈(右)

井上麻里奈「この『フィオナ旅行記ドラマCD』のキャストは、人気投票で選んでくださったというお話をお聞きしまして、びっくりしています。お仕事をくださって、皆さま本当にありがとうございます(笑)。ファンの方々が選んでくださらなかったら、私は今日この場所にいなかったということですので、本当に光栄ですし、ありがたいと思っております。『フィオナ旅行記』は、登場人物が非常に少ないのですが、それだけでも物語がちゃんと展開していますし、人間劇といいますか、掛け合いの面白さが、作品の随所随所に散りばめられています。読んでいるだけでも楽しい作品ですが、実際に皆さんと掛け合いをすることで、よりその面白さが増したのではないかと思っております。本当にもっとずっとやっていたいなって思うような作品でした」

小松由佳「まずネットで調べたところ、人気投票でキャストが決まったと書いてありました。そしてキャストの名前は二つしか書かれていませんでした。そして、私が見る限り、登場人物もブログ上に出てくるのは、メインの、書き込みをしているフィオナとヒノクレだけ。私が演じるアリアを探してみたんですけど、見つからなくって……。私は10歳以下の役を演じることがほとんどないんですよ。だいたい外画で強い女とかを演じることが多いので、最初はまちがえているのではないかと思いました(笑)。本当に小松由佳でよいのかと思ったのですが、今やっているアニメの声を聴いてくださった方が、きっと10代もできるにちがいないと思ってキャスティングしてくださったのだと信じて、今日はなるべく自然体でやらせていただきました。先ほど、井上さんもおっしゃっていたのですが、掛け合いがとにかく面白いんですよ。今日、小清水さんがいなかったのが本当に残念でした。どつき漫才を聴くのをすごく楽しみにしていたので……」
井上「私も昨日まですごく楽しみにしていました」
小松「ですよね(笑)。そのテンションに、私はただ圧倒されていればいいんだっていう芝居作りをしてきたのですが、現場に来てみると『いない!』ということで、一所懸命に想像しながら演じさせていただきました。でも、ちょっと聴かせていただいた小清水さんのお芝居もすごく面白く、それに乗っかっていく勢いの井上さんに連れて行ってもらった感じですね。とても楽しかったです」

――ご自分が演じたキャラクターについて教えてください

井上「たぶん聴いてくださる方々のほうが、このフィオナというキャラクターについては詳しいのではないかと思うのですが、私の印象としましては、アネゴ肌なんだけど、振り回されつつ、そして振り回しつつという、非常に楽しいキャラクターだったので、なぜ自分が選んでいただいたのか、その理由がちょっとわかるような気がしました。ふざけたところもあり、でも根はしっかりしている。自分がそうだと言っているわけではないのですが(笑)、ところどころ共感できるような部分があるキャラクターだったので、選んでくださった方々が、私のどの芝居をみて選んでくださったのかはわかりませんが、選んでいただいたということを念頭に置きつつ、本当に自分の思うがまま、自由に演じさせていただきました。やはり、自分の自然体でできるキャラクターというのはなかなか少ないので、本当にありがたいなという気持ちでした。ふざけているように見えつつも、締めるところは締める。根はすごく厳しくて真面目な子なんだろうなっていうのが、今回の作品の中でもたくさん見えてきて、本当に魅力的なキャラクターだと思いました。ヒノクレのことは好きみたいです……好きらしいです(笑)」
小松「めちゃくちゃ仲がいいじゃないですか」
井上「(笑)。これだけ冷たいことが言えるというのは、好きだし、愛されているという自覚があるからこそだと思います。私も長年付き合っている、こういう関係の友だちがいまして、こんな感じです。そんな掛け合いができるぐらい仲がいい二人だということが、実際に演じてみて感じられました」

小松「アリアのような子は、実は世界中にいるんだろうなって思いながら演じていました」
井上「切なかったね」
小松「私、朝のニュース番組でナレーションを読んでいるのですが、本当に戦時下の子どもたちのニュースも多いんですよ。子どもたちが、あまりにも悲惨すぎて、逆にこまっしゃくれていて、言っていることは大人なんですけど、やっぱり考え方はすごく子どもなんです。戦争が良いとか悪いとかいう前に、その場所に、リアルタイムにいるからこそ、生きるためになんでもするといった強さがあるんだと思います。なので、けっこうシリアスな話だと思いながら演じていました。最終的にお姉ちゃんと会えて、本当によかったです。ヒノクレさんとかも実は設定がすごいんですよね」
井上「みんないろいろあったみたいです」
小松「すごくいろいろありすぎじゃない? っていうぐらいけっこう激しいお話で、『こんなのファンタジーじゃないじゃん』と思いながらブログを拝見したのですが、これからも時事的な、こういうシリアスなネタを織り込みつつ、やっていってほしいなって思ったりもしました」

(次ページへ続く)