アフレコ現場の様子

――すでにアフレコのほうもかなり進んでいるというお話ですが、現場の雰囲気はいかがですか?

藤田「和気藹々としているのですが、大先輩の方もいらっしゃるので、締まるところは締まるといった感じで、とてもいい雰囲気です。あと、ブースの中には人がいっぱいいて、ひしめいています(笑)」
小林「もう満員なんですよ(笑)。すごく活気がありますね。ストーリーはとてもクールだったり、熱かったり、緊迫していたりといった感じなのですが、そういった作品の雰囲気とはちがって、休憩時間はみんなでお菓子を食べながら和気藹々とおしゃべりしたりしています。でも、いざ本番が始まると、いい意味での緊張感が張り詰めるんですよ。とてもキャスト様、スタッフ様が一丸となって、あたたかい雰囲気でチームワークも素晴らしく、お芝居に集中させていただける素敵な現場さんだなって思っています」
藤田「学校の教室のシーンなどは、ガヤの方もたくさんいらっしゃるので、本当に学生のようなノリで、とても楽しく演じさせていただいていますね」

――何かアフレコ現場でのエピソードのようなものはありますか?

小林「物語がすごくシリアスなんですよ。それで、今日の収録もとてもシリアスだったのですが、私は長いセリフを喋っているうちに興奮しすぎちゃって、最後のほうは目がかすんで、台本が見えなくなってしまいました……」
藤田「えー! そんなことがあったんですね(笑)」
小林「博士さんが、『もう、わかんないよ!』みたいな感じで混乱するんですけど、演じている自分も混乱しちゃって(笑)。第一話から積み重ねてきたみんなの関係が、ある出来事によって、すごく大変なことになってしまうんですけど、それで感情が入りすぎちゃったんですよ……。本当に収録はいつも真剣勝負ですね。でも、そんな中で、マナちゃんがちょっとツンとしていたり、デレたりしているのがかわいくて、オアシスみたいな感じになってます(笑)」
藤田「私がオアシスになっているんですか(笑)。ありがたいことです」

――いい意味でのメリハリになっているということですね

小林「そうなんですよ。そういったメリハリがあるので、観ていただける方も、きっとそういうところで一息つけるのではないかなって思います」

――マナは非常に重要な役なんですね

小林「家族の団欒シーンでも、マナちゃんは女の子一人なので、けっこう言いたいことや我が侭をいったりするんですけど、それがまたすごくかわいいんですよ。お父様役の藤原さんのお芝居も本当にすばらしくて。藤原さんが出てくると、ムードが一変しますね」
藤田「一変しますよね。お父さんの出てくるシーンは、あまり緊迫したシーンではなく、だいたいカラカラと笑っている感じなんですよ」
小林「テンションもすごく素敵なところから入ってきてくださるので、そこもまたオアシスを感じます(笑)」
藤田「お父さんは、私が強く言っても、あっけらかんと返してくれるので、包み込んでくれるような愛情を感じるんですよ。この人の娘で良かったなっていうことを毎回感じながら、お芝居をさせていただいています(笑)」
小林「私も正明さんの息子で良かったなって思います。けっこう博士さんが突っ込んだりするところもあるんですよ」
藤田「博士君もお父さんに対しては、けっこう突っ込みますよね」
小林「ほかの人に対してはそれほどでもないのに、お家の中ではちょっと強いところが出たりもしています」
藤田「ちゃんと長男をやっているんですよ(笑)」
小林「家族のお話は私も大好きで、とてもなごみます。本当に素敵な三人家族なんですよ。あと、マナちゃんが車椅子に乗っていることに、博士さんが罪悪感を感じている部分があるんですけど、そのあたりも注目してほしいですね」
藤田「それですごく面倒をみたがるんですけど、マナはそれが嫌なんですよ。このあたりは、ゲームをやっていただいた方にはわかると思うんですけど、アニメで初めて観る方には、なんでマナはこんなに冷たいんだろうって思われるかもしれませんね」
小林「ちょっと過保護に感じられる部分もあったりしますが、そのあたりの背景を感じ取っていただけたらうれしいですね」

(次ページへ続く)