筆者は普段、スマートフォンとしてはiPhone 3Gを利用している。iPhone 3GSと比べるとメモリも少なく動作も遅いiPhone 3Gだが、Nexus Oneと極端に大きな差はないように感じた。

iPhone 3GとNexus One

また、同じWebkitを使っているのに、ブラウザの表示に差があるのも気になった。iPhoneのほうが正確に表示されるようだ。両端末ともにブラウザをダブルタップするとその場所を拡大する機能を搭載しているが、Nexus Oneは少し違和感のある位置を拡大した。完成度の点でいえばiPhoneのほうが優勢に見える。

Nexus OneでWebサイトを表示したところと拡大したところ

同じようにiPhoneで表示、拡大したところ。ちなみにAndroidでスクリーンショットをとる方法が見つからなかった(あるにはあるのだが、設定が面倒)。iPhoneのような簡単な操作でキャプチャができると便利なのだが

しかし、iPhoneではできないマルチタスクやそれにともなう常駐機能はAndroidの有利な点だ。多様なメーカーからさまざまな端末が提供される点もAndroidのメリットと言える。

そうした点からNexus Oneを見てみると、Motorolaの「Droid」、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「Xperia X10」などと比べると、非常におとなしい端末という印象だ。どちらかというとシンプルなリファレンス製品にも見える。

端末自体も、GoogleらしさというよりもHTCの端末という印象だし、現時点ではまだ、Googleブランド端末として真価を発揮していないように思える。ただ、Android自体は急速に機能を向上させ、幅広く使われ始めており、一大ネットワークを築きつつある。Nexus Oneの高性能を生かしたGoogle Earthも今後登場し、Googleサービスとの連携も強化されていくのだろう。Android Marketにも2万近いアプリが公開されて充実してきており、今後のエコシステム構築がうまくいけば、さらなる飛躍も考えられる。むしろ、Googleがこうした環境を生かしてどのようなサービスを展開していくのかが期待される。