「人生、ブレまくっているな、オレ」と感じながら日々生きているアラフォー記者が、一筋の光をつかんだ気がした瞬間だった……。
今年で2回目となる「The Human Race 10K 2009」が前年と同様、山梨・本栖湖をメイン会場に開催された。第1回開催のとき、「これって、まんまとナイキの世界的キャンペーンにハメられちゃってるんじゃないの?」などと斜に構えて挑んだ記者だったが、2回目の今回、初参戦時よりもいろいろな意味で、泣けた。走っている最中に本当に涙腺が緩み、顔面を力ませながら走った覚えがある。その経緯をレポートしたい。
ヒューマンでも何でもなくとにかく強行行脚
The Human Race 10K 2009についての詳しいことは、公式ホームページをご覧いただくことにして、その中身を端的に言い表すと、「世界のみんなと10kmマラソン、よーいドン! withナイキ」だ。
タイトルに「ヒューマン」と付くが、実際はたいへん強行スケジュールなうえに"プチ・ストイック"なイベントとなっている。何せ、東京をはじめとする日本の各都市から夜行・早朝出発で本栖湖へ"連行"され、着くや否やいきなり本栖湖を反時計回りにグルッと一周、10kmを走り、エスニックや郷土料理のおいしいゴハンを食べ、アルコールなしで某アーティストたちのフェスを堪能できるのだから。
最初はみんな平和すぎるほどお祭り気分♪
何はともあれ、ナイキから配られた赤い"ランT"に着替えてスタート。 今回の本栖湖メイン会場に訪れた"赤い彗星たち"は、7,000人。参加者は、彼氏彼女、家族、大学、会社など、グループの形は様々だが、それ以上に個人参加の人たちも目立った。黙々とテント内で着替え、時計を合わせ、スタートを待つという姿が印象的。グループ組は走る前からハイテンション。この先に過酷な10kmが待っているのに、ある一行は「ねえねえ、人形焼って何km先で配られるのかな?(女性)」「さあ、どのへんかなー(男性)」。どうやら東京マラソンの偏ったイメージが拭いきれていないらしい。もちろん、人形焼は出ない。
笑顔がだんだん闘う顔に変わってくる中盤
スタートのゲートをくぐる。安田美沙子さんがゲートの上から手を振っているのを確認し、赤の集団がゴールを目指して走り始める。4km弱地点で給水所があるのだが、そこまで何度か起伏のあるルートを走ることになる。すでに"お祭り組"はこの時点でウォーキング状態。マジで走る"レース組"は序盤を颯爽と抜き出る。と、そのころ、4km付近で細マッチョな男たちに囲まれた女性が我々よりも格段に速いペースで追い抜いていく。その女性こそ、ゲスト参加の安田美沙子さんだった。さっきゲートの上にいたはずのあの人が!? つい「美紗子さん、速いっ、速いよ!」とカイ・シデンのように叫びたくなるほどの俊足ぶりだった。