増田こうすけ氏が描く、『ジャンプスクエア』(集英社刊)の人気連載『ギャグマンガ日和』が4度目のアニメ化! 『ギャグマンガ日和+(プラス)』となって、2010年1月よりキッズステーション、読売テレビほかにて放送開始となる。

『ギャグマンガ日和+(プラス)』は2010年1月スタート

小学生から中高生、面白さに敏感な大人にも大人気のギャグアニメ「ギャグマンガ日和」。4度目となる今回の『ギャグマンガ日和+』も、監督はもちろん大地丙太郎氏が務める。タイトルに"プラス"が付いた本作は、新たに制作された作品と、大人気の旧作から厳選した作品の両方を合わせての放送。聖徳太子や小野妹子、松尾芭蕉に曽良、クマ吉くんにうさみちゃんといった人気のキャラクターたちはもちろん、新たに新撰組などが登場予定となっている。

メインキャスト陣が語りつくす『ギャグマンガ日和』の魅力

(写真左より)内藤玲、矢部雅史、伊藤実華、名塚佳織、うえだゆうじ、前田剛

一度観たら忘れられない、クセになる笑いが魅力の「ギャグマンガ日和」だが、アフレコではなく、プレスコ (先に音声を収録し、それに絵を合わせていく)による制作、台本が原作コミックのコピーといった、アニメの内容だけでなく、制作方法までもがちょっと異質な作品となっている。そこで今回は、そんな作品を支える、うえだゆうじ、前田剛、名塚佳織、矢部雅史、内藤玲、伊藤実華といった声優陣が語った「ギャグ日」の魅力についてを紹介していこう。


――今だから話せる、最初に『ギャグマンガ日和』への出演依頼が来たとき、台本を初めて目にしたとき、さらには初プレスコ後の感想などを教えてください

矢部雅史「最初に依頼が来たのは、ジャンプフェスタで上映する映像を制作するときで、TVアニメになる前なんですよ。そのころはまさかTVアニメになるとは思っていなかったですね(笑)。ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、『ギャグマンガ日和』には、台本という形での台本が無いんですよ」
内藤玲「えっ! どういうことですか?(笑)」
矢部「皆さんが目にしているマンガがですね、そのまま台本という形で私たちに渡されるんですよ。これがほかのアニメとはちょっとちがうところですよね。もうひとつちがうところがありまして、普通のアニメは、絵があって、その絵に合わせて僕たちの声を収録する、いわゆる"アフレコ"という作業があるのですが、『ギャグマンガ日和』の場合は、役者のお芝居を先に録って、それに絵を合わせていく、"プレスコ方式"で作っています。かの映画の『アキラ』も使ったという方式なんですけど、その『アキラ』以来ですよ」
内藤「本当ですか?」
矢部「ウソです(笑) ※1。なので、絵を観ていると、口にけっこう僕らのセリフが合っているんですよ。そこがちょっと普通のアニメとちがうところですね。収録方法もラジオのように座って録ります ※2
内藤「向かい合わせに座って、真ん中にマイクがあるんですよ」
矢部「喫茶店でしゃべっているような感じですね。なので、僕の場合は、基本的に下を向いています。台本がコマ形式なので、ずっと見ていないと、どこをしゃべっているのかがわからなくなるので(笑)。そんな感じで、最初はとにかくビックリしました」

※1 『アキラ』(アニメ映画)以来というのは矢部さんの冗談だが、TVアニメ作品ではほとんど使われない手法なのは事実。理由としては、アフレコに比べて数多くの手間が掛かる事などがあげられる。
※2 ラジオのディスクジョッキーに近いスタイルになっている。


伊藤実華「私はTVアニメの第一弾からですね」
矢部「あ、じゃあカラーになってからだ」
名塚佳織「最初のジャンプフェスタ用 ※3 は白黒だったんですよ」
内藤「え? できあがりが?」
名塚「そうなんです。マンガと同じ白黒の状態で、たまに唇だけが本物の唇だったり(笑)」
うえだゆうじ「いろいろなことをやってたね。実写映像とかも入ってましたし」
名塚「背景だけがすごく動いたりして、本当にこだわりがありましたね。でも、試写会でできあがったものをはじめて観たときには呆然として、『え、これ完成品?』って思っちゃいました(笑)。当時はまだ高校生で、そのころマネージャーをやってくれていた母親と一緒に観にいったのですが、試写会には関係者の偉い方がたくさんいらっしゃっていて、『ギャグマンガ日和』なのに、みんな真剣に観ているわけですよ(笑)。この作品をイベントに出してもいいかどうかというところでの最後の試写だったのですが、皆さんが笑わないので、自分の芝居がおもしろくなかったのではないかと、最初はすごく不安になった覚えがあります」
矢部「観ている方の年齢が高かったですよね」
名塚「母親が横で観ているというのもあって、すごく緊張しましたね。そんな思い出のある作品が、第四弾になるまでの人気になるとは……。ここまで、監督やスタッフ、キャストの皆さんのおかげで大きくなり、そしてファンの方にも支えていただいたということで、第四弾が決まったことがとても嬉しいですね」

※3 『ジャンプフェスタ2002』(2001年12月、幕張メッセにて開催)で初上映されたイベントムービー。実験的な手法を多用した意欲作で、現在は、販売版のDVD『ギャグマンガ日和』(第1弾)上巻に収録されている。

(次ページへ続く)