1ランク上、そして異なる音声言語で二周目を楽しもう!
筆者は最初、まずストーリーモードを難易度「中級」で挑戦してクリア達成。そのストーリー展開の素晴らしさ、ゲームプレイの楽しさに感銘し、エンディングの後、間髪入れずに「上級」を始めてしまった。こうしたアドベンチャー系のゲームで、二周目をやるということは筆者的にはあまりないのだが、それだけ本作には夢中にさせられてしまったと言うこと。
その後「上級」もなんとかクリアしたが、確かに「中級」よりも難しくなっていて、ゲームオーバーになることが多かった。ゲーム展開や敵の強さに差はないが、難易度「上級」では自分のダメージ許容量が「中級」よりもシビアになっているようだ。
このゲームではライフゲージはなく、ダメージは時間で回復するというルールが採用されている。言ってみればゲーム最後までライフ量は固定ということ。なので、そのダメージ許容量がシビアな「上級」では、敵からの攻撃覚悟で飛び出していくような捨て身の特攻は通じにくく、遮蔽物に隠れて敵を確実に仕留めていくか、敵の銃撃を喰らいにくい優位な地理的条件を常に意識して戦っていく戦術が求められる。本作では、ストーリー進行とは無関係な「宝物」が全部で100個、ゲーム世界に隠されており、これを自己満足的に集めるのがゲームのもう一つの楽しみ方なのだが、一周目で集まりきらなかった「宝物」の回収目的で二周目を始めるのであれば、ぜひとも1ランク上の難易度で挑戦してみよう。本作のちょっとだけ違ったゲーム性が楽しめるはずだ。
そうそう。今作の音声は日本語と英語の両方が収録されていて、日本語吹き替えは息継ぎがやたら多い、アメリカン連続テレビドラマ風味な吹き替えが楽しめる。英語音声にして日本語字幕にすれば、洋画の雰囲気が高まってこれまた新鮮。二周目は一周目とは違う言語で楽しむのもいい。
最後に、興味深い言語関係のトリビアを1つ。
あるシーンでエレナが「私が死にそうになったときの怖さは10段階でどのくらい?」と聞いてくる。照れくさいネイトは「4だ」と低めの数字を言ってしまう。エレナはこれに怒って何度も聞き返してくるのだが、英語音声では、「4」を押し通せず、最後の最後で「じゃあ5で? これでいいだろ」(I give you five. How's that?)というのだが、日本語字幕では最後の最後まで「4だ」とネイトが言い切ることになっているのだ。英語音声だとエレナのごり押しに負けかける、ネイトのヘタレぶりが出ていていい感じなのだが、日本語だと最後まで"照れ"を押し通す頑固な感じのネイトが描かれ、微妙にニュアンスが違う。同じシーンなのに、こういう日本語版と英語版の違いを味わうのも二周目の楽しみ方だ。
なお、今作のエンディングは、ストーリーテリング的にベタではあったが、とはいえ、とても後味の良いモノになっていたので、筆者的にはかなりの好感触。エピローグの始まり方はドキっとさせられたが(なぜかは秘密。自分でプレイして確認してほしい)、その後、「ほっ」と胸をなで下ろすことができるはず。ちゃんと物語を締めくくり、三角関係にも一応の決着が付いて基本的には大団円なのだが、それでもどことなく余韻を残す終わり方は洋ゲーにしては丁寧。エンディングの描き方をとても重視する日本人プレイヤーにも安心してオススメできると思う。
今作では詐欺師のオヤジ、サリーの活躍がイマイチだったのが個人的には残念で、次回作では彼にはもうちょっと活躍させてあげてほしいところ 。 いずれにせよ、早くも『3』への期待は膨らんで止まない。
(トライゼット西川善司)
ゲームタイトル | アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団 |
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メーカー名 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
発売日 | 2009年10月15日 (発売中) |
価格 | 5,980円 |
C (15才以上対象) |
(C)2009 Sony Computer Entertainment America Inc. Published by Sony Computer Entertainment Inc.Developed by Naughty Dog, Inc. |