以下はChrome OSのデスクトップだ。見た目はChromeブラウザそのものである。
よく見ると、タブバーの左端上部にChromeのアイコンが配置されている。Chrome OSのスタートボタンと呼べるような存在で、これをクリックすると「Appsメニュー」が開く。Webアプリへのアクセス、タブ/ウィンドウの作成、検索ボックス、通知機能、オプション、サインアウト/システム終了などが検討されている。
タブには2種類ある。右側の横幅の長いタブは通常のWebサイトのタブ。左側に並ぶ横幅の短いタブは「アプリケーション・タブ」だ。GmailやGoogleマップなどWebアプリである。
タブのほか、「パネル」という小さなウイジェットからもWebアプリを利用できる。パネルはGmailのタスク機能と同じように、ウィンドウの右下に現れる。たとえばGmailを開いた状態で、そのウィンドウの中にチャットとノートパッドのパネルを開くなど、使用中のWebアプリの画面から離れることなくマルチタスクを行える。
1つのウィンドウだけでもタブとパネルを駆使して複数のWebアプリを利用できるが、複数のウィンドウを開くことも可能だ。オールビュー・モードに切り替えると、開いているタブやウィンドウを一覧できる。
「Google検索で「U2」と検索→音楽検索結果セクションで試聴ボタンをクリック→MySpaceのパネルが開いて音楽再生開始」「SDカード内のExcelファイルをクリック→オンライン版のOfficeで開く」「IRS(米国国税庁)のサイトから確定申告書(PDF形式)をダウンロード→Google Docsで開く」など、デモでは様々な利用ケースがシームレスに処理される点が示された。
またAndroid携帯を接続して写真を取り込むデモも行われた。しかし今日のWebブラウザを通じたハードウェアのコントロールは限定的だ。ローカルストレージ、ビデオ/オーディオの再生、3Dグラフィックス、マルチスレッド対応、通知、リアルタイムコミュニケーションなどをWebブラウザから処理するのはHTML5世代の技術になる。2010年末にChrome OSが登場するというのは、2010年中にChromeがこうしたAPIに完全対応することを意味する。HTML5の進捗という点でも、Chrome OSが登場する意義は大きい。