アピオス、ひろっこ……。皆さんは、これらが何の名前かご存知であろうか。――会員向け宅配サービスを展開しているらでぃっしゅぼーやは、2004年1月より地域の気候風土や食文化に根ざした全国各地のおいしい伝統野菜や珍しい野菜を「いと愛づらし名菜百選」として販売している。アピオス、ひろっこは「百選」に選ばれた野菜の名前なのだ。
約10万世帯が会員、扱うアイテム数は約7,000
「伝統野菜を地元だけではなく、全国の消費者にもっと広く食べて欲しい」と意気込むのは、らでぃっしゅぼーや経営企画部広報担当の益貴大さん。この取り組みは、珍しい野菜の種の多様性を守り、食文化の継承に貢献することを目的としている。
そもそも同社は1988年、「持続可能(サスティナブル)な社会の現実」を理念に掲げた環境NPOを母体として誕生している。有機・低農薬野菜や無添加食品にこだわり、年々、会員数を増やして、年商228億円(2009年2月期)にまで成長。2008年12月にはジャスダック証券取引所に上場した。
現在の登録会員はなんと約10万世帯。登録者のメイン層は30代~40代の主婦だ。「子供が生まれたので、安心して食べられる食材を使いたい」という新米ママや、健康に気遣う共働き夫婦などに特に好評だという。ちなみに同社では、レトルト商品まで無添加にこだわる徹底ぶりだ。
「らでぃっしゅぼーや」で取り扱うアイテム数は年間で約7,000アイテム。「一般のスーパーに匹敵する品揃えとなっています」と益さんは胸を張る。そのうち約9割は独自に開発したオリジナル商品で、だからこそ同社ではヘビーユーザの割合が極めて高いのだ。