いざ、お菓子づくりスタート。まずは難易度の高いマカロンからだ。それぞれの材料を計量するところから始まるのだが、材料の種類が多いので私も手伝うことにした。

解説書には「特細目グラニュー糖17g」とある。量りを見ると「10g」と表示されている。すこーしだけプラスしたつもりが17gを行き過ぎて、「20g」。若干イラッとしながら、すこーしスプーンですくって減らすと今度は「15g」。こっそりそのままボウルに入れようとしたら、「もう土方さんいいですよ、僕が全部やります」と怒られてしまった。女性なのに大雑把な私。男性だけどきっちり派なスタッフO。草食男子、肉食女子を象徴しているような……。

以降はスタッフOが完全に1人でマカロンをつくっていく。肝となるメレンゲづくりもしっかりとこなし、着々と工程は進んでいく。しかし、天板に生地を絞り出す段階で異変が。

ハンドミキサーを駆使しながらの生地づくり。「こんな感じかな?? 」

生地を絞るも……「なんか変!? 」

マカロンづくり、暗雲垂れ込めるも……

生地がダラダラーと流れていくのだ。絞り袋を使う必要がないくらいの状態だ。「失敗」の2文字がよぎる。「いやぁ、店で売っているマカロンが結構なお値段になっている理由が分かりました」とつぶやくスタッフO。しかし、せっかくここまできたのだから、焼いてみようということになり、オーブンへ。

ルンルン♪と楽しそうにクリームを絞る。めげずに生地を焼いてよかったね

10分強の焼き時間を経て再び私たちの前に姿を現したその生地は……、ピエ(生地の縁にできるフリルのようなもので、理想的なマカロンの焼き具合)も少しできている。ホロホロと崩れてしまいそうなマカロン生地を丁寧に扱いながら、バタークリームをサンド。ちょっと焼き色もついてしまったが、一応「マカロン」と呼べる状態のものが完成した。

次はドーナツ。イーストを使わず、ベーキングパウダーでつくるアメリカンドーナツだ。マカロンをつくりあげて経験値が上がったのか、スタッフOがテキパキと作業を進めていく。生地をこねていると、「昔、母親と一緒につくってたんですよねー。テーブルの上を粉だらけにして、楽しくコネコネしたなぁ。こうやって生地を触っていると、四半世紀前の記憶が鮮烈に甦りますよー」と楽しそう。……アナタ、やっぱり乙男(オトメン)だったのね。

テキパキとドーナツづくりの作業を進めるスタッフO

※乙男(オトメン): 人気少女マンガのタイトル。乙女チックな趣味、思考で、料理や裁縫が得意な男性のことも意味する。

キュートなドーナツが続々

デコレーションタイム。"半分だけチョコレートをかける"とか、"アイシングでデコレーション"などとオリジナル路線を突き進む

途中、ドーナツの生地は1時間以上休ませるのだが、この時間を除けば1時間弱でドーナツが揚がっていた。最後はデコレーション。チョコレートでコーティングしたものに、チョコスプレーで飾ったり、アイシングでかわいく仕上げたり。「よくもまぁ、こんなにも細かい作業ができるわね」と感心している間に、なんともキュートなドーナツが次々と出来上がっていく。

完成したドーナツは、外側はカリッと、中はふんわりとした食感。素朴なおいしさが詰まった仕上がりだった。「おいしい、おいしい」と試食していると、スタッフOはいそいそとラッピングを始めている。なんとまあ、彼女にプレゼントするのだとか。

完成したドーナツ。ドーナツの"穴"の部分もちゃんと揚げてデコレーション

プレゼント用にラッピングしたドーナツ

マカロンはバタークリームをサンドしてから一晩冷蔵庫で休ませることで、生地とクリームがなじむため、翌日試食。マカロン生地の特徴である"ねっちり"とした食感があり、見た目は少し減点だが、味わいはパティスリーで買ってきたといわれても信じてしまうほどのレベルだった。

完成したマカロン

後日、スタッフOに「彼女はなんて言ってた? 」と聞くと、「『びっくりと嬉しさで涙が出そう』と言ってました」とニコニコ。「またお菓子をつくって、サプライズでプレゼントしようと思います」とのことで、完全にお菓子づくりにハマっている。立派なスイーツ王子だ。

いかがであろう男性読者のみなさん、奥さんに、彼女に、手づくりスイーツのプレゼントは。女性ってサプライズに弱い。しかも、好きな男性が一生懸命つくってくれたスイーツならうれしくないわけがない。「クリスマスは彼氏や旦那様の手づくりケーキ」ってのもアリだと思う! 頑張れ、男性諸君!!