風見鶏の視線
出発の星座、地上の星座、星に座る椅子
空港内に星空が出現。天井に敷き詰められた3000個のLEDは、羽田空港完成日の星座と同じ位置に配置。「出発の星座」は、羽田空港から飛行機が離陸する時刻と連動。時間になるとLEDが飛行機のシルエットを描き、実際に飛行機が向かう方角へと飛び立ってゆく |
まばたきの葉
木陰のスクリーン--鳥の離発着
一部の作品は、今年いっぱい展示することが決定している。過剰なインフォメーションを排除し、展覧会タイトル通り“空気”のように空港内に存在する作品。
「あんなに大きな『空気の人』がいるのに気づかず通り過ぎてしまう人もいるんです」と広報の上條桂子さん。「ギャラリートークの際に"たくさんの人に気づかせるだけがアートじゃない"と箭内道彦さんがおっしゃっていて。もちろん気づいて欲しいんですが(笑)、非目的客に対して邪魔にならず、作品を探す楽しみがあるというご意見もいただきました。それがデジタルパブリックアートのひとつのあり方なのかもしれません」
デジタルパブリックアートはまだ発展途上のジャンル。しかしながら、鑑賞する人を選ばない公共の場において、作品はより深く訴えかけてくるように感じられた。技術とアイデアのせめぎ合い、プライバシーへの配慮、公共の場という規制など、困難な壁を乗り越えた成果は大きい。今後の展開が待たれる。