米FileMakerのシステムエンジニアマネージャであるアンドリュー・ルケイツ氏は、大学時代の1988年に、自らFileMakerを使用していたことを紹介するとともに、これまでのFileMakerの変遷を語った。
1992年のFileMaker 2ではクロスプラットフォーム化を図り、95年のFileMaker 3では、ファイルを関連させるリレーショナル機能の進化、95年から2004年までのFileMaker 4、同5、同5.5、同6ではWebパブリッシング機能の強化、プラグインの提供によって開発者による製品能力の拡張が可能になったこと、XMLへの対応のほか、専門知識がなくてもSQLを生成できるといった機能を提供。「ビジネスツールとして強固な機能を実現した」とした。
また、2004年のFileMaker 7では、「最も革新的なFileMakerをリリース」と位置づけ、複数のテーブルのデータを持てるようになったこと、セキュリティの強化、マイクロソフトのActive Directoryとの連動などを挙げ、「プログラミングの知識を持つ人、持たない人を問わず使いやすいものとなり、開発されたアプリケーションがより堅牢なものとして提供できるようになった」などとした。
その後発売されたFileMaker 8、同8.5、同9では、ESS(External SQL Data Source)やタブ機能、Webビューワの搭載、さらにはデータベースの共有に関する各種機能を搭載したことを説明。そして、今年1月に発売したFileMaker 10について、時間を割いて説明した。
「FileMaker 10は、当社にとって非常に重要なバージョンリリースであり、顧客にとってはエキサイティングなものである。エンドユーザーにフォーカスし、使い勝手を向上。開発者も先進的な機能を活用できる製品」とした。
FileMaker10で採用したツールバーや、FileMaker 10の最大の特徴ともいえるスクリプトトリガー機能などを紹介。エンドユーザーの使いやすさや、開発者に有用な機能など、FileMaker 10の進化を示した。「スクリプトトリガーは、データベースの効率をあげるのに有用であり、この機能ほどエキサイティングに思ったものはない。重要な機能である」とした。
ファイルメーカーのウィリアム・エプリング社長は、「FileMaker Conference 2009には500人以上が参加している。製品を知っていただくだけでなく、パートナー企業との出会いの場としても活用していただきたい」と挨拶した。
また、オープニングセッションのあとには、ソリューショントラックおよびテクニカルトラックにわかれたセミナーが行われ、名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター長(CMIO=チーフメディカルインフォメーションオフィサー)の吉田茂氏や、キー・プランニングの木下雄一朗社長などが、FileMakerソリューションの活用による業務改善の事例や、開発技術の手法に関して講演した。