起動方法が変わった信頼性モニタ
Vistaでは、[モニタツール]以下に、[パフォーマンスモニタ]と[信頼性モニタ]の2つがあった。しかし、Windows 7では見当たらない。どこへいってしまったのだろうか?実は、信頼性モニタの起動方法が大きく変わったのである。左のペインの[モニターツール]で右クリックする。ポップアップメニューが表示される(図8)。
ここで、[システムの信頼性の表示]を選択する。すると、信頼性モニターが起動する(図9)。
信頼性モニタは、システムにエラーが発生すると、その内容をイベントログに記録する。そして、イベントログの内容を評価し、1から10までの数値でその安定性を表す(数字が大きいほど安定している)。信頼性モニターはVistaでも、搭載されていたが、安定性のレポートの表示方法などが、大きく変更された。ダイアログの下にあるイベントをクリックするとその詳細が表示される(図10)。
さて、信頼性モニターを使えば、インストールの失敗、アプリケーションエラーなどを把握することができる。また、同時に日付も記録されるので、システムが不調になった際に、何か変更を行ったかどうかの確認なども可能である。本稿では紹介できなかったが、問題のあるイベントが発生すると赤いマークで表示される(当然、グラフも下がる)。信頼性モニタは、コントロールパネルからも起動できる。[システムとセキュリティ]の[問題の発見と解法]を選び、さらに[アクションセンター]へと進む。ここで[メンテナンス]をすべて表示すると、[信頼性履歴の表示]がある。ここをクリックすることでも、起動する。
システムの保護もサイズを設定可能に
さて、モニターツールと直接関係ないのであるが、信頼性モニタを使ううえで、非常に関連が深い機能なので、紹介したいと思う。システムの保護は、任意の時点で復元ポイントを保存する。これを使い、たとえば、アプリケーションをインストールして不安定になってしまった状態や、不正プログラムやウイルスなどに感染してしまい、システムに変更が行われる前の状態に戻したいといったことで使われる。Vistaでは、この復元ポイントを保存するためのハードディスクの容量を指定できなかった(さらにその前のWindows XPでは可能であったが)。Windows 7では、それが可能になった。システムのプロパティの[システムの保護]タブを表示する(図11)。
ここで、[構成]ボタンをクリックする。すると、[ディスク領域の使用量]で好みの容量に設定可能となる(図12)。
図12 システムの保護対象 ローカルディスク |
デフォルトでは、全ハードディスク容量の3%が確保されている。Vistaでは、システムの保護のために300MB以上の空き容量が必要であった。また、全ハードディスク容量の最大15%を使用する仕組みになっていた。Vistaでは、このような設定の多くは、ユーザーの目から隠されてしまっていたので、初心者には余計なことを考えなくてもよいが、上級者には使いにくいものであったのも事実だと思う。Windows 7では、システムの保護だけでなく、ユーザーが設定可能となったものが少なくない。
復元ポイントは、指定された容量を使い切ると古いものから順に削除される。Windows 7をインストールしたばかりの時点では、変更やインストールなどの作業も頻繁に行われる。できれば、容量を多めに確保し、復元可能な範囲を広めに確保するというのも、一案ではないだろうか。そして、インストールもほぼ完了し、安定してきたら、容量を減らして、ハードディスクをデータなどのために有効利用するというのもよいだろう。このようなことも、設定可能になったからこそできることである。上述した信頼性モニタとの併用で、効果的に利用を行ってほしい。