Antecは27日、「秋のVIPポリシー電源公開」として、PC用電源4モデルについての発表会を行った。低価格モデルからオーバークロック機能搭載の新モデルまで、幅広いラインアップの製品についてと、同社の考えるPC電源に必要な機能について、Antec 上級副社長であるScott Richards氏が語った。

Antec 上級副社長 Scott Richards氏

展示された新製品のサンプル

新製品ラインアップ

Antecは長くPCパーツ業界において、新規性のある製品を提供してきたメーカーだ。現在では珍しくなくなった、黒いPCケースやカラーLEDを搭載したファンも、同社が他に先んじて市場に出したものだという。また、本社をシリコンバレーに置いていることで、他のパーツメーカーとは違った取り組みができるとRichards氏は語る。「たとえば、NVIDIAと打ち合わせをしようと考えたらすぐに実行できます。車で10分移動するだけです。これはAntecにしかできないことです」(Richards氏)。

CP-1000

様々な製品を送り出してきたAntecが、今回発表したのは4つの電源だ。まず、コストメリットを重視したのがCPシリーズの1000W版である「CP-1000」だ。独自開発したケース「CPXフォーム」を利用することで、大型のファン取り付けを実現し、低価格ながら高出力でエアフローも良い製品となっている。独自規格であるため、取り付けるケースはAntec対応ケースであることが必要だ。4つの+12V系統を持ち、安定した電源を供給する静音型電源となっている。

SG-1200

サーバ向け電源として用意されたのは、Signatureシリーズの1200W版である「SG-1200」だ。日本メーカーのコンデンサーを採用し、高信頼性、高品質、長期的耐久性を実現している。ファンは算用電気のPWMダブルボールベアリングファンを採用した低ノイズなもので、8つの+12V出力系統を持つ。Intel Core i5/i7のスリープモード電流要件にも対応している。

この2モデルに共通しているのが、2つの2層基盤を搭載していることだ。これによって銅製フォイル部が増加し、電流の損失は減少。部材間のスペースが増加することで直線的なエアフローが実現できる。また、基盤上の配線が用意になり部材の配置も効率的に行えるという。「重い部材の半田づけ部のひび割れを防止する効果もあります。おもしろい技術ではないかもしれないが、重要なこと。これが良い物と最高のものの違いです」とRichards氏は語る。

CP-1000背面。上下に基盤が配置されている