「富山の技術・地域の技術ゾーン」(1) - 大人気の「HRP-4C 未夢」
続いては本イベントのメインとも言える、富山県や近隣地域ゆかりの研究者が開発したロボットが展示された「富山の技術・地域の技術ゾーン」。企業出展のブースから紹介していこう。
まず、このゾーンに限らず会場全体でも一番の人気だったのが、産総研と川田工業の共同ブースだろう。話題の女性型ロボット「HRP-4C 未夢(ミーム)」と研究用ヒューマノイド「HRP-2 Promet(プロメテ)」のデモンストレーションが行われ、毎回、ステージ前の通路が埋まってしまうほどの大盛況だった。
川田工業は富山県創業、産総研で開発を担当した金広文男主任研究員も富山県出身だそうで、これら「HRP」シリーズの開発には富山ゆかりの企業や人物が数多く関わっているとか。
「HRP」というシリーズネームは、1998年から5年間実施された「人間協調・共存ロボットシステム研究開発プロジェクト(HRP)」に由来する。このプロジェクトで開発された「HRP-2 Promet」は2003年から研究用ロボットプラットフォームとして提供開始され、"機動警察パトレイバー"の出渕裕氏による外観デザインも話題を呼んだ。現在までに20体が製造され、さまざまな学術研究機関で使用されていると言う。
最新型となる"HRP-4C 未夢"は、リアルな頭部と日本人青年年齢の女性の平均体型を持ち、アンドロイドに近づいた女性型ヒューマノイドとして2009年3月に発表。7月には桂由美ブライダルフェアに花嫁姿で登場、同イベントの後に開催された「CEATEC JAPAN 2009」ではヤマハとのコラボで「初音ミク」姿で歌ったりとさまざまな方面で話題を呼んでいる。しかも、今回のような動作デモが一般公開されるのは7月に筑波の産総研で行われたオープンラボに続いてまだ2回目とあって、大いに来場者の注目を集め、滑らかな動作には感嘆の声が上がっていた。