TEDが大阪に技術サポート拠点を開設
大手マイコンベンダFreescale Semiconductorの日本法人フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンと半導体商社の東京エレクトロン デバイス(TED)は、10月15日に大阪で報道機関向けの説明会を開催。フリースケールの協力の元に、フリースケール製品のユーザーに対する技術サポート拠点「東京エレクトロン デバイス ウエスト・ラボ」を東京エレクトロン デバイスが開設し、同日に活動を始めたと共同で発表した。関西地区の半導体ユーザーに対する、技術サポートの強化が目的である。
"東京エレクトロン デバイス ウエスト・ラボ"の所在地は東京エレクトロン デバイスの大阪支社内(大阪市淀川区宮原のニッセイ新大阪ビル18階)。同社のエンジニア1名が常駐する。ウエスト・ラボではZigBeeに代表される無線通信ネットワークの相互接続試験や無線通信性能評価などの技術支援、汎用測定器による検証・試験の支援、技術コンサルティングおよびハードウェアとソフトウェアの受託開発などを実施する予定である。測定器はスペクトラム・アナライザやロジック・アナライザ、デジタル・オシロスコープなどをそろえている。
報道機関向けの説明会では始めに東京エレクトロン デバイスの代表取締役社長をつとめる砂川俊昭氏が登壇し、同社の事業内容を説明した。同社の売上高は2009年3月期に947億円。その約8割、749億円を半導体を含む電子デバイス事業が占める。
半導体の応用分野別売上高の割合は、通信機器が30%と最も大きく、次いで産業機器が23%、民生機器が22%、コンピュータおよび周辺機器が20%と大きく4つに別れている。残りが車載機器で、5%を占める。
また半導体商社としての事業のほかに、自社ブランド「inrevium(インレビアム)」の事業展開を進めている。1つは自社ブランドの製品開発と販売である。これまでにJPEGエンコード・デコードLSIやSDカードコントローラLSI、FPGAソリューション、FPGA評価ボード、信号処理ボード、FPGA学習用キット、3次元計測ソリューションなどを製品化してきた。もう1つは設計受託・製造受託事業である。2009年3月期におけるこれらの事業の売上高は29億8000万円だという。
続いて東京エレクトロン デバイスで執行役員兼Comm&CE 事業部長をつとめる大崎正之氏が同社とフリースケールの関わりを説明した。同社がフリースケール製品の取り扱いを始めたのは1986年で、東京エレクトロン デバイスが設立された年でもある。もちろん当時はフリースケールではなく、Motorolaの半導体製品だった。1996年にはモトローラのPowerアーキテクチャ・プロセッサを搭載した評価ボードを開発し、販売を始めている。
組込機器の開発では、フリースケールのシステムLSIとチップセット、ミドルウェアに対し、東京エレクトロン デバイスがOSやドライバ・ソフトウェア、開発ボード、アプリケーション・ソフトウエアなどを提供することで半導体ユーザー(組込機器の開発エンジニア)をサポートする。