──テレビドラマ、映画、そして、今回のようなハードな舞台と、忙しい毎日を送る鈴木さんですが、どんな風に息抜きをしていますか。

鈴木「体を動かしたり、友達と会って、くだらないことも、深い話も、たくさんおしゃべりすること。あとは、ひたすらDVDを観ることかな。最近は、エヴァンゲリオンをTVシリーズから、97年劇場版、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』まで、2日間で一気に観ました。実は、今日これから、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観にいくんです。母と妹がみて、『本当に泣けた』といっていたので、すごく楽しみです」

──まだお稽古が始まったばかりと聞いていますが、今の時点で、どんな風にサリヴァン役を演じたいですか。

鈴木「今後、演出の鈴木裕美さんと相談しながら、サリヴァン役を深めていきたいと思います。裕美さんは、6年前の初舞台でもご一緒させていただいたのですが、頑固で、好奇心が旺盛で、決して妥協はしない、本当にサリヴァンみたいな人。私を舞台に引きずり込んでくれた張本人でもあり、また一緒にこの作品に挑めることがとても楽しみです。今の時点では台本にある、頑固で、生意気な小娘であるサリヴァンが、奮闘し、落ち込むことを繰り返しながら成長していく様子を表現したいと思っています。もともとサリヴァン役は、大女優で、大先輩である大竹しのぶさんがずっと演じてきた役柄。私自身、台本を読んでいても大竹さんの声が聞こえてきたりするくらいです(笑)。でも、比較される相手が敵うわけがない方だからこそ、私なりの、新しいサリヴァン像を作っていければいいな、と。

憧れの大先輩・大竹しのぶさんの舞台『The Diver』を鑑賞後、「しのぶさんがすごすぎて家に帰ったら膝を抱えて落ち込みそう」と伝えたという鈴木さん。「そしたら『自分も凄いって思えばいいんだよ~』とかわいく言われちゃいました(笑)」

たとえば、私のような小娘がサリヴァンをやることに大丈夫なの? と思われる方もいらっしゃると思うんです。それは、まさしくどんなベテランの先生が来てくれるのかと思っていたのに、二十歳そこそこのサリヴァンを目にしたときのヘレンの家族の反応そのものではないか、と。まだ少女のような二人のぶつかり合いで起こる奇跡が、22歳の私が演じることで、よりリアルにお伝えできればうれしいですね」

『奇跡の人』

日程:2009年10月23日(金)~11月8日(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
作:ウィリアム・ギブソン
翻訳:常田景子
演出:鈴木裕美
出演:鈴木杏、高畑充希、中尾明慶、七瀬なつみ、佐藤B作ほか
料金:S席8,400円/A席6,300円/学生券4,500円
問い合わせ:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949
公式HPアドレス:http://hpot.jp/mw