Windowsに標準で装備されているシステムツールに、バックアップやデフラグなどがある。しかし、上級者の場合、システム標準のツールを使用せずに、別途有償のアプリケーションなどをインストールして使うことが少なくない。その理由はどこにあるのか?一言でいってしまえば、使い勝手があまりよくないことにも原因があると思われる。逆にいえば、初心者にも扱いやすくしているがために、上級者にとってはイマイチとなってしまっているのだろう。Windows 7では、その点が改善されている。本稿ではそれらについて見ていきたい。
ファイルのバックアップでフォルダ選択が可能に
さて、これまでのWindows Vistaでは、ファイルのバックアップを行う際に、ファイルの種類を設定していた(図1)。
説明にもあるように、どのフォルダにあるかやそのファイルの所有者に関係なく、バックアップが行われれる。実際に「ピクチャー」では、イメージファイルに該当するものであれば、すべてバックアップされる。実際に、この設定でバックアップを行って、ファイルの復元をしてみよう。[バックアップの復元]から、バックアップファイルをすべて表示したものが、図2である。
これみればわかるが、Program Filesフォルダにある各アプリケーションのサンプルファイルやヘルプファイルなどもバックアップされている。先ほど、「ピクチャー」を選択したが、これもヘルプ用の画像であったり、アプリケーションソフト内に含まれる画像ファイルであることもある。バックアップは条件に一致さえすれば、すべてのファイルをバックアップ対象にするので、この動作はまちがってはいない。
しかし、そのようなファイルをバックアップする必要があるだろうか?当然、このようなファイルもバックアップすることで、バックアップの時間もかかるようになるし、バックアップファイルも肥大化する。さらに上級者になれば、保存すべき必要のあるファイルは、たいてい一定のフォルダにまとめていることがほとんどであろう。つまり。そのフォルダをバックアップすれば、もっとも効率がよいということになる。
Windows 7のバックアップは、この点が改善されている。これまでと同じバックアップも可能であるが、具体的にフォルダを指定することができるようになったのである。簡単にその手順を紹介しよう。まずは[スタートメニュー]の[コントロールパネル]から[バックアップの作成]を選択する。図3の「ファイルのバックアップまたは復元」の画面となる。
[バックアップの設定]をクリックする。[バックアップの設定]が開始される(図4)。
図4 バックアップの設定が開始 |
まずは、バックアップ先を選択する。ローカルドライブ、光学メディア、ネットワーク先などが選択可能である。ここでは、推奨のローカルドライブDを選択した(図5)。
次いで、「バックアップの設定」画面となる。ここで、フォルダなどを自分で選択したい場合には、[自分で選択する]を選ぶ(図6)。
[次へ]をクリックすると、[バックアップの対象]を選択する。[データファイル]の[Userのライブラリ]は、普段利用しているマイドキュメントなどのフォルダが対象となる。その下にある[コンピューター]以下で、自分でフォルダを選択できる(図7)。
[ローカルディスク(C:)]の前にある三角をクリックし、下層のフォルダを表示していく。筆者はよくやるのだが、Workというフォルダを作成し、その下にデータを保存することが多い。実際に、バックアップしたいフォルダにチェックを入れていく(図8)。
[次へ]をクリックすると、「バックアップの設定」画面となる。ここでは、設定したバックアップの内容を確認することができる。あえて、Workフォルダの評価用プログラムフォルダが、バックアップの対象となっていないことがわかる(図9)。
以上で設定は完了である。[設定を保存してバックアップを実行]をクリックする。バックアップが開始される(図10)。
[詳細の表示]をクリックすると、進行中の作業や進捗状況などが表示される(図11)。
バックアップが完了すると、図12のようになる。
[ファイルの復元]を利用し、実際にバックアップファイルの中身を確かめてみた(図13)。
もし、これまでのバックアップを行いたいという場合には、図6で[自動選択]を選べばよい。バックアップすべきファイルなどがよくわからないという方は、「推奨」とあるようにこちらを選べばよい。このように、フォルダを自由に選択できるようになり、効率的にバックアップを行うことができる。上級者にとっては、ありがたい機能であろう。