iアプリゲームをWindows Mobile用に一発変換

MGDを利用してiアプリから変換したシューティングゲーム。このタイトルは画面下部のバーチャルキーで操作するが、数字キー操作のタイトルの場合タッチ操作を認識することも可能という

東芝ブースでは、Marketplaceのオープンによるアプリ市場の拡大を見込んだ製品として、アプリックスの「MGD(Mobile Game Deployer)」が展示されていた。これは、携帯ゲームソフトのベンダー向けに開発されたツールで、Javaで開発されたiアプリゲームをWindows Mobile用のアプリに変換することができる。

独自に通信機能を作り込んだ大作RPGなどを除き、ほとんどのiアプリゲームをWindows Mobile用に「一発変換」可能で、変換にかかる時間は数十秒という。画面に指で触れるアクションを対応する位置の数字キー入力として認識する機能も備えているので、上下左右の移動を数字キーで行っているアプリなら、元のアプリに手を加えなくてもタッチ操作対応ゲームにできる。

一般にWindows MobileのネイティブアプリはC++などの言語で開発されるが、携帯アプリの開発者はJavaにしかなじみのないことも多く、新たな開発環境に習熟するにはそれなりの期間を要する。MGDがあれば、Windows Mobile向けの開発ノウハウがなくてもアプリを製作できるので、国内のベンダーが既存のゲームタイトルを変換し、Marketplaceを通じて全世界に向けて販売することが容易になる。

携帯ゲームパブリッシャー大手のジー・モードが、このツールを使って変換したゲームソフトのMarketplaceでの販売を検討しているといい、アプリックスでは今後さらに多くのゲームベンダーに採用を働きかけるとしている。

なお、MGDはその名称の通りゲームで利用されるAPIの変換に特化しているので、現時点ではゲームアプリ以外の変換には対応していない。

7インチ画面の大型機も登場

そのほか東芝は、7インチ液晶ディスプレイを搭載した携帯情報機器「L01シリーズ」を参考出展している。現時点ではTG01のアーキテクチャをほぼそのまま流用しており、OSにはWindows Mobileを採用。ブースでは動画再生のデモンストレーションが行われていた。ワイヤレスキーボードを接続してメモを取る、大画面でインターネット接続や動画再生などを楽しむ、通信機能付きデジタルフォトフレーム、カーナビなどとしての利用が考えられている。

TG01をそのまま大型化したような印象の「L01シリーズ」

東芝によれば商品化を行うかどうかは未定で、現在は用途や仕様などを検討している段階。あくまでPCではなくスマートフォンをベースに発展させたデバイスという位置づけで、3GないしモバイルWiMAXやLTEなど何らかの通信機能を搭載する。OSにはWindows Mobile以外のAndroidなどを採用する可能性も否定はしないという。