日本ヒューレット・パッカードは、家庭向けインクジェット複合機「HP Photosmart」シリーズ新製品の発表会を開催した。ラインナップは、オンラインフォト対応のプレミアムモデル「HP Photosmart Premium C309G」、タッチ&無線LAN対応のハイパフォーマンスモデル「HP Photosmart Plus B209A」、無線LAN対応コンパクトモデル「HP Photosmart Wireless B109N」、コンパクトモデル「HP Photosmart B109A」の4機種。C309G、B209Aが10月16日発売で、B109N、B109Aが12月初旬発売。HP Directplus価格は、C309Gが21,840円、B209Aが15,960円、B109Nが12,810円、B109Aが10,920円。

インクジェット複合機「HP Photosmart」の新モデルが登場。コンセプトはタッチ&ワイヤレス

発表会場では、日本HP 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏が個人向けインクジェットプリンタ戦略を説明した。

Eメール、写真、動画など、全世界に存在するさまざまなデジタルデータは、18カ月ごとに2倍になり、2010年で1250EB(エクサバイト/エクサは、キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタの次の単位)となりそうな勢い。印刷可能なデータも2010年に206EBまで増加すると考えらており、世の中にある情報量は増加の一途をたどっている。このようなデジタルデータを、プリンティングを通じて形にするのがHPのビジョンであるとした。

日本HP 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏

デジタルデータは爆発的に増加している。その無数のデジタルデータを形にするのがHPの役割とした。エクサはペタの1,000倍、テラの100万倍。2010年の1250EBは、12億5,000万TB

HPはオンラインフォトサービス「Snapfish」を提供中。新製品C309GならPCがなくても、Snapfishが利用できる

HPのクラウドコンピューティングのサービスのひとつがSnapfish。無料、容量無制限で写真が保存でき、写真の共有も無料。1枚15円で高品質印刷が可能で、さまざまなものに印刷してギフトとして提供することもできる。このサービスのユーザーは全世界で7,000万人以上で、50億枚以上の写真を保有している。1日20万人以上が写真共有の設定を行い、1日1,000万枚以上の写真がプリントされている。毎月3億枚の画像が増加しており、8PBを超えるオンラインストレージが稼動している。

日本未発表のモデル。インターネット上のコンテンツを閲覧・印刷できる

プリンタについては、インターネットに簡単に接続して利用できる環境を提供するという方向性を提案。日本では未発売、発表時期も未定ながら、PCなしでインターネットに接続できるプリンタ「HP Photosmart Premium with TouchSmart Web」を紹介した。ネット上のさまざまなコンテンツが利用できるが、専用に作られているものは少ないため、公開されているAPIを利用して、インクジェットプリンタで扱いやすいようにしている。たとえば、クーポンを印刷したり、映画のプレビューをプリンタのタッチパネルで見て、そのままチケットを購入・プリントしたりできる。日本での展開は2010年以降に予定しているとした。

日本では、PCを家庭内LANに接続しているユーザーは88%と高い一方で、プリンタをLANに接続しているユーザーは16%と極端に少ない。PCはLANにつながっているが、プリンタはそのPCにUSBでつながっている。こういった状況を踏まえて、今後のプリンタの展開を進めていく。2010年まではワイヤレス化の促進でプリンタの家庭内LAN接続を促進。2010年以降はプリンタから直接ネットに接続させるようにしていきたい。今回の新製品もその展開を踏まえたものになっているとした。

ネットワークに接続しているプリンタは少ない。HPでは無線LAN対応にすることで、ネットワークに接続することを促進する