CPU、グラフィックスでAtomを圧倒するパフォーマンス

CULVで一番肝心なのがプロセッサパフォーマンスである。冒頭で軽く触れたが、IdeaPad U350が搭載しているのはCore 2 DuoまたはCore 2 Solo、そしてCeleronだ。Core 2をベースとしたアーキテクチャであり、Core 2 Duoの場合はさらにネイティブのデュアルコアプロセッサである。低消費電力に舵を振った分、パフォーマンスの低いAtomとはベースが異なる。このあたりを実際にベンチマークで計測していこう。

今回は、"ネットブックのパフォーマンスに満足できなかったユーザー"を想定し、一般的なスペックのネットブックとのパフォーマンス比較を紹介しよう。今回試すIdeaPad U350は、型番が29633GJという最上位モデル。CPUはCore 2 Duo SU9400(1.4GHz)、メモリは4GB、ストレージは500GBのSATA HDDを搭載している。

■ベンチマークスコア
IdeaPad U350 ネットブック
3DMark06 3DMarks 697 76
PCMark05 PCMarks 3249 1149
CPU 3645 1495
Memory 3618 2235
Graphics 1298 358
HDD 4998 1639

どのスコアを見てもネットブックのそれを上回っているのは当然として、注目したいのはまずPCMark05のCPU性能。今回はIntel Atom N270(1.6GHz)を搭載した製品と比較したが、Core 2 Duo SU9400はそれの2倍以上、3倍に近いスコアをたたき出している。ちなみに、どちらもスレッド実行性能は同時2スレッドであり、単に実クロックで言えばAtom N270の方が高いのに、このスコアとなるのである。肝心なのはアーキテクチャからしてCore 2 DuoとAtomとでは異なる点で、例えばシングルコア/シングルスレッドのCore 2 SoloがCore 2 Duoの半分のスコアに落ちるわけではなく、実測したとしてもAtomよりも高いスコアになることは間違い無い。

また、特に注目して欲しいのが3DMark06とPOCMark05双方のグラフィックス性能だ。スコアで比較すると、ざっとネットブックの9倍のパフォーマンスである。今回比較する製品はどちらもチップセット統合グラフィックスを採用しているが、ネットブックのそれがかなり古い世代の製品であるのに対し、IdeaPad U350には最新のIntel GS45 Express(GMA 4500MHD)が採用されている。

さらに3Dグラフィックだけではない。GS45 ExpressにはHDビデオの再生支援機能も統合されており、SDビデオ再生支援にとどまるネットブックの945GME Expressに対し、ここでも両者に差が付くところだ。ハイパフォーマンスなCPUと高性能なグラフィックス機能によって、例えばYoutubeのような動画共有サイトのHDビデオ再生などのエンタテインメント面でネットブックよりも快適であることはもちろん、最近ではグラフィックス機能がPDFのアクセラレーションに利用されていたりと、その快適度はベンチマークスコア以上と思って良いだろう。

また、GMA 4500MHD統合グラフィックス機能はIdeaPad U350のシリーズを通じて共通である点も重要だ。例えばCore 2 SoloモデルやCeleronモデルでもこの恩恵が受けられるのだ。