独特なタブキーに対し、開いたときの操作性は"一般的なケータイ"とそれほど変わらない。むしろ、薄型の中では、打ちやすい部類に属している方だ。キーの下方向に向かってわずかにスロープができているため、1つ1つのボタンをしっかり判別することが可能。使い込めば、ある程度素早く文字を打つことができるだろう。カーソルキーの上下の幅が狭く、間違って決定を押してしまうことは多々あったが、致命的とはいえない。この辺りの印象は人それぞれだが、店頭で念入りに確認しておきたいポイントだ。
潔く割り切られた機能とデザインの掛け算
「LIFE>PHONE」を標榜するiidaの端末だけに、PLYも機能はやや抑え目だ。カメラはオートフォーカス対応の319万画素で、ディスプレイは3.0インチのフルワイドVGA。おサイフケータイや、最新サービスの「EZニュースEX」やBook Playerにも対応している。その反面、BluetoothやGSMでのローミングは利用できない。サポートする外部メモリは8GBのmicroSDHCまでと、auケータイの中ではハイスペックな方だが、他社の端末と比べると一般的だ。ワンセグは外付けアンテナを使わないと、窓際ですら電波をキャッチしなかった。"とにかくケータイはスペックが命"というユーザーには、残念ながらオススメすることはできない。
しかしながら、機能の取捨選択は非常に上手いように感じる。ディスプレイやカメラ、外部メモリなど、頻繁に利用する機能やデバイスは"ケータイ標準"を守りつつ、ユーザーを選びそうなBluetoothやGSMは大胆に省いているところが潔い。ワンセグを毎日観ているユーザーには"ありえない仕様"かもしれないが、大きなスポーツイベントやニュースなどがあれば使うという人にとっては、外付けアンテナもさほど苦にはならないだろう。
これらをトータルで考えると、PLYはミドルレンジのラインナップに新風を吹き込む端末だといえる。平均的なスペックのケータイは、よくも悪くも、デザインまで平均的なことが多い。その方が幅広いユーザーを狙えるので、理屈は理解できる。とはいえ、まさにiidaが掲げた「LIFE>PHONE」が信条のユーザーにとって、そのような端末がズラリと並んだ店頭の光景は、どこか退屈なものだったに違いない。1人1台が当たり前になったケータイだからこそ、PLYのような選択肢はあってしかるべきだ。ユーザーインタフェースや操作性に課題は残されているが、PLYのコンセプトに共鳴できるのであれば、ぜひ店頭でじっくり触ってみてほしい。
商品名 | PLY |
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サイズ | 約102×53×14.5mm |
重量 | 約127g |
連続通話/待受時間 | 約230分/約260時間(日本国内使用時) |
メインディスプレイ | 約3.0インチ 約26万色 TFT液晶 |
カメラ | 有効画素数約319万画素CMOS(オートフォーカス対応) |
外部メモリ | microSDメモリカード |
カラー | brown / pink / black |