さらに、Xeon系プロセッサの組み込み向けプロセッサであるJasper Forestが紹介された。これは、サーバアプライアンスのような高性能な組み込み機器を作るためのプロセッサ。PCI Expressがプロセッサから直接出ているため、従来のI/O Hubが不要となり、ボード上のフットプリントが小さくなっている。チップセットは、Intel 3420を使う。インテルアーキテクチャを使うため、従来のソフトウェアがそのまま利用できるという特徴を持つ。通信や軍事分野での利用やストレージ専用機などの開発が容易になり、ATCAやCompact PCIのような規格化された基盤では、より多くの機能を詰め込むことが可能になるという。このJasper Forestは、2010念の第一四半期に登場予定だ。

Jasper Forestは、PCI Expressを統合した高性能な組み込み向けプロセッサ

クライアントマシンについては、現状のCore i7/5について触れ、Windows 7に最適化されていることに触れた。また、リモート管理機構であるvProを紹介したあと、AT&T社のサービスを紹介した。AT&Tは、システムプロバイダとして、多くの企業にインターネット接続などを提供しているが、その一環として、中小規模のオフィスのネットワークやPCの管理を代行している。今回、そのサービスにvProを導入、リモート管理を可能とすることで、大きなコスト削減が可能になったという話を行った。

vProの応用例の1つとして「デジタル・サイネージ」などの組み込み機器を紹介。デジタルサイネージは、ディスプレイとPCなどを組み合わせた「デジタル看板」。看板なので、いろいろな場所に多数のデジタルサイネージ機器が設置されるが、これをネットワークとvProを使うことで遠隔地からメンテナンスなどが可能になる

将来的な話としては、IAベースのマルチコアを使うグラフィックスプロセッサであるLarrabeeについて、簡単なデモを見せた。LarrabeeもGelsinger氏が進めてきたプロジェクトであり、本来、ここでいろいろと話があったのだがろうが、今回は、インテル研究部門のBill Mark氏による簡単なデモが行われただけだった。

Larrabeeによるレイトレーシング動画のデモ。手前の部分が海になっていて、写り込む風景が波の動きによって変化していく